サイエンスとプラグマティズムの間で

実験家・プラグマティスト。思考実験や社会実験を繰り返しながら、実用に向けた試行錯誤を実…

サイエンスとプラグマティズムの間で

実験家・プラグマティスト。思考実験や社会実験を繰り返しながら、実用に向けた試行錯誤を実際の体験として積み重ねることが好きです。呟きは主にThreadsで @taishibrian お問合せ⇒https://note.com/taishibrian/message

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世田谷区三軒茶屋にできる、猫を助ける賃貸「SANCHACO」を活用するためのコミュニティです。SANCHACOは保護猫の譲渡を条件とした賃貸住宅と、保護猫たちが常駐する共用スペース、カフェやスナックとして使えるレンタルスペースの居職住複合型施設です。猫にまつわる面白いこと、募集!

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野次猫コラム

頭の中の整理用。気の赴くまま徒然に書いています。

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板橋チャーハンのすすめ

板橋チャーハンについて以前書いたときから、その熱狂ぶりは加速しているように感じます。休日ともなると、丸鶴や丸福といった有名店には行列ができています。常連客とは平日と棲み分けができているみたいですが、店主の高齢化も相まって不定期営業の店も出てきています。 家賃を払わないで半チャーハンを出すそもそもなぜ板橋区がチャーハンで有名なのか、それは町中華の隆盛と相関があります。板橋区には工場が多く、肉体労働者の集まる地域としてカロリー摂取できる町中華が数多く立地しました。東京23区のな

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チームラボ・ボーダレスに見る、日本の勝ち筋

麻布台ヒルズにオープンした、「EPSON TeamLab Borderless」に行ってきました。9割方のお客さんが外国人で、インバウンド観光客が何を求めて東京や日本に訪れるのかを考察してみました。 花鳥風月という日本文化の蓄積こちらの展示では、主に鳥獣戯画のような動物たちの姿が自然のなかで躍動する姿が描かれていました。視覚、聴覚、そして嗅覚や触覚まで刺激する五感全体で体験する没入型デジタルミュージアムというコンセプトです。非言語的に体感できるのがポイントで、あらゆる国のあ

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春と秋が短くなる、気候変動の現実

ようやく春らしい気候になり、桜も咲きましたね。早速愛犬と御嶽山に上って春を満喫してきました。今年は何だか2月頃にいきなり暖かくなったかと思ったら、3月上旬は一気に冷え込んで桜の開花が遅れ、いつもは真っ先に開花する東京の桜がつぼみのまま4月までずれ込んだ印象です。 春と秋が短くなっている気象庁によると、日本の平均気温は100年前に比べて+1.29℃となっており、とくに春は+1.62℃と他の季節(夏+1.25℃、秋+1.36℃、冬+1.24℃)に比べて変動幅が大きくなっています

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エイプリルフールに思う、正直者が勝つ世の中になってきた理由

4月1日といえば、エイプリルフールです。しかし、これだけAIが発達した世の中になってくると、あらゆる文章や画像にフェイクが含まれていて、むしろ毎日が嘘つきを見分けるような状況になってきています。 アテンションエコノミーの罠有益かどうかよりも、関心度・注目度の高い情報にクリック数という経済指標が集まってしまうアテンションエコノミーにおいては、極端な言説だったり注目を集める動画・画像などが粗製濫造され、結果的に本当に有益な情報が埋もれてしまうといった状況になってきています。

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野良猫の地域おこし研究

地域活性化・地域おこしに必要な視点や、独自の強みを見出すための方法論についてまとめています。

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日本三大桜・三春滝桜

乗り物に乗っている時が最も読書が捗る性癖のため、青春18きっぷで桜前線を追いかけながら北上しました。桜の方はそんな人間の事情には付き合ってくれず、全国一斉に咲き始めた模様です。 10年ほど前に、福島県被災地の復興支援の仕事をしていました。その際にいつも通るのが三春町で、滝桜という樹齢千年とも言われる日本三大桜の古樹があることを知りました。なかなか花が咲くタイミングには来れず、またコロナ禍もあって訪問する機会がありませんでした。そんな経緯もあって、改めて桜の季節に三春に行くこ

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「能登半島は見捨てるべき」なのか

元日に発生した能登半島地震、半月が経った現在でも水道や道路のインフラは寸断され、救助活動もままならない状況で復興などはさらに先の話になっています。一部では能登半島のような過疎地域に対して、多額の復興予算をかけてインフラや防潮堤などを整備するのはコスパが合わない、といった東日本大震災のときにも聞こえた議論が出始めています。 能登半島ほど生物多様性を象徴する場所はない個人的に、能登半島は数回訪れたことがあり、とても気に入っています。まず食べ物がとても美味しい、というのも日本海の

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『地方創生』時代の終焉

10年以上ローカルの現場に携わってきて、コロナ禍が起こって完全に状況が置き換わった感があります。具体的には、地域のインフラをはじめとした様々な基幹構造がもはや持続不可能に陥っており、根本原因としての人手不足がのっぴきならないところまできている実感を、各地を再訪するなかで非常に強く感じます。 それとともに、従来の地方創生というデフレ経済下における政策パッケージが完全に機能しなくなっている実情も明らかになっています。国が国債を発行し、政府支出という税収の再分配から雇用創出や事業

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阪神ファン、エスコンフィールド北海道に行く

「Boys be Ambitious(少年よ、大志を抱け)」と言ったクラーク博士、その言葉が発せられたのは北広島市にある旧島松駅逓所です。そこからほど近い場所に、北海道日本ハムファイターズの新たな本拠地・エスコンフィールド北海道が造られました。 折しもプロ野球セパ交流戦で、我らが阪神タイガースがこの地で戦うため、勇躍乗り込んできました。プロ野球ファンのみならず、観光客や地域住民が気軽に利用できる地域密着型のボールパークという大志を実現した理想郷を体験してきました。 阪神フ

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猫の本棚

読んだ本をシェアしていきます。

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絶望の王・ゴジラの復活(ゴジラ-1.0レビュー)

『シン・ゴジラ』からは7年ぶりとなる、国内版ゴジラ新作『ゴジラ−1.0』が公開されました。大人の事情でこれだけの期間が空いてしまったようですが、前作を超えることは無理難題であるのも事実でしょう。そんな高いハードルをいとも簡単に超えてきた印象です。 火力では敵わない相手に立ち向かう勇気舞台となったのは終戦まもない1940年代後半、焼け野原となった日本では軍備が解体され、対ゴジラの主戦力となる自衛隊も組織されていません。まさしくゼロの状態のところにゴジラが上陸し、復興が始まって

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あの日、諦めずにアフリカを出た先祖がいた。

私たち人類は、ホモ・サピエンスという種族です。近縁にはネアンデルタール人やデニソワ人など、すでに絶滅したけど人類の遺伝子に数%ほど交雑している亜種も存在します。そして我らが祖先であるホモ・サピエンスは、アフリカが起源であることが分かっています。 一度目の“出アフリカ”は失敗していたアフリカ大陸で誕生した人類は、ユーラシア大陸への進出を試みます。現在でも同様ですがアフリカ大陸からユーラシア大陸に出るためには、エジプト北部のスエズを通るか、紅海の入口にあるバブ・エル・マンデブ海

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“あなた”は人間と微生物でできている

盲腸という内臓器官をご存じでしょうか。虫垂炎になると、以前は盲腸切除してしまう治療が多かったのですが、実はとても重要な役割を持っていたとして現在では盲腸切除は推奨されていません。その盲腸の役割とは、腸内細菌叢つまり善玉菌の棲み処として消化や人体の様々な機能を援ける働きを持っています。 腸内細菌は、最近ではヤクルト1000などで注目されていますが、睡眠やストレスといった自律神経系の制御や、新型コロナウィルス等の疾病を防ぐ免疫力を高める作用があります。とくに大腸には樹状細胞と呼

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日本ローカルの勝ち筋としてのSDGs⇒ESGへ

SDGsは、何だか地球や環境に良いことをしようといった漠然とした善意による取組みといった認識が日本においては支配的です。しかし、世界においてはむしろそんな甘ちょろいことを言っている場合ではなく、グローバルの新たなルールとして、まるでいきなり五輪での競技が不利になってしまう事態が進行しています。 日本では主にSDGsという言葉が使われがちですが、世界は金融・投資の世界を中心にESGを盛り込むことにまさに必死になっています。Environment, Society, Gover

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人と猫の幸せな関係

「猫と働く、猫と暮らす」をコンセプトに建設した、SANCHACOのことについて主に語っています。 世田谷区三軒茶屋にある、保護猫の譲渡を進める賃貸住宅 / 猫が邪魔するワークスペース / 店舗利用できるレンタルスペースの複合施設SANCHACOでは、猫という存在をシェアしています。その可愛らしさや責任をコミュニティで共有していくことで、都市型ライフスタイルをもっと豊かにしていくことを目指しています。

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猫の脱走とリスキリング

先日、私の運営するSANCHACOから猫が脱走しました。お世話に来ていた人が換気のために窓を開けていたところ、網戸を器用に開けて出ていってしまったということで、すぐに捜索に乗り出しました。 猫を捕まえるための捕獲器の仕掛け方 すぐに保護団体に連絡し、アドバイスをいただきながら捕獲器をセットしていきます。猫は逃げ出したとしても、自分のテリトリーのすぐそば50m四方以内に潜んでいることが多く、次第に遠くに行ってしまうということなので時間との戦いでもあります。また、その週は週末

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猫を助ける賃貸住宅SANCHACO完成!

ついにこの日がやってきました。構想から3年、保護猫の譲渡を前提とした賃貸住宅「SANCHACO」が完成しました!濃紺の建物は台湾の九份をイメージしており、1F部分の灯りには丸い提灯を使っています。2-3Fの賃貸部分には、木目を活かした庇に丸い穴を空けて、住人が帰宅すると丸く灯るようにしています。 三軒茶屋の昔ながらの路地を再現住戸脇の路地空間は、三軒茶屋の古い写真などを参考に猫が居そうな空間を再現しました。植栽デザインの専門家に入ってもらい、日本の在来植物や紅葉するような樹

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保護猫を譲渡してもらえない人へ

SANCHACOの取組みを10/4付産経新聞朝刊・首都圏版に掲載していただきました。保護猫の譲渡を地域コミュニティに結びつけるコンセプトについて、考えの根底にある価値観まで掘り下げて取材してもらっています。 保護猫を飼いたいけど飼えない人々先日、こんな投稿が目に留まりました。保護猫の譲渡を受けたいけれど、初心者で既存の譲渡団体からはなかなか譲ってもらえないという話です。保護猫カフェや譲渡会などのイベントでも、子猫が譲渡の中心となっているために相手にされず、結局ペットショップ

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猫と働く、猫で繋がる作業場

SANCHACO1階のワーキングスペース「neco-makers」をご紹介します。現在は保護猫3匹が常駐し、新しい飼い主さんとの出会いを待っています。 コワーキングではなく、ものづくり拠点在宅での仕事が増えている昨今、自宅とは別に仕事場を持ちたいというニーズは高まっています。もちろん、WiFiや電源は完備しているためPCでのデスクワークも可能なのですが、猫たちが居るので生産性が上がることは期待しない方が良いでしょう。。それよりも、猫たちの存在によって新しい出会いがあったり、

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動物写真

My lovely dogs and cats.

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カピバラ露天風呂に見るマーケティングの終焉

先日、伊豆高原にあるシャボテン公園に行ってきました。様々な土地に行くと必ず動物園に立ち寄る立場として、伊豆シャボテン公園で始まった「カピバラ露天風呂」の取組みは非常に興味深いです。 カピバラ露天風呂の歴史1982年に開始されたシャボテン公園のカピバラ露天風呂、飼育員さんがお湯を使って掃除していたところ、お湯が貯まった窪みにカピバラたちが集まってきて暖を取っていたのがきっかけだそうです。 冬の寒さが苦手なカピバラと、伊豆の豊富な温泉源という要素が組み合わされ、露天風呂に入る

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なぜ犬は喜び庭駆け回るのか?

犬はどうして雪の上を裸足で走り回れるのか?と考えていたら、こんな記事を発見。なるほど、犬の祖先は寒い地域で、人間と一緒に長い旅をしてきたのかもしれない。 「犬の肉球は、『動静脈吻合』(どうじょうみゃくふんごう)という、毛細血管を間に挟まずに、動脈と静脈が直接つながっている構造を持っています。これにより、肉球が冷たくなると自律神経が働いて動静脈吻合が拡張し、血流量が増加して凍傷を防ぎます。それと同時に静脈血の冷えすぎを防ぐことができます」(田邊先生) 雪が降ると他の動物の動

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ウナギは日本人のせいで絶滅するのか

絶滅危惧種IBに指定されているニホンウナギの稚魚・シラスウナギの採捕量が激減しているニュースが話題となっています。昨年同時期に比べて1%程度と歴史的不漁になっており、資源保護の観点からワシントン条約締約国会議での国際取引規制対象になる可能性もあります。 ネットのマウンティング論が知らない現実ネットで支配的なのは、「絶滅危惧種なのにウナギ価格高騰がニュースになっている」「日本人が絶滅に追い込んでいるのに水産庁もマスコミも報じない」といった、大衆の無知蒙昧と政府やマスコミの不作

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正義vs正義〜和歌山イルカ漁のその後

映画『おクジラさま』を観ました。紀伊半島最南端部に位置する和歌山県太地町という小さな漁村が舞台で、400年以上続いているイルカ漁がテーマになっています。この地ではイルカをクジラと呼び、戦後食糧難の時代も捕鯨によって乗り切ってきたという歴史を持っています。 この映画は1人の外国人移住者の視点が中心となって展開されます。環境活動家ではなく日本の伝統文化に興味を持つ外国人として、地元住民の信頼を勝ち取ろうと様々な取組みを支援し、飲み会では一緒に鯨肉を食べるといった姿を通じて、この

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