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[書評]女の国会

多作の新川帆立さんの中でも、代表作になるのではないかという一冊。ミステリーでありつつも、ジェンダーや政治参画、格差社会といった様々なテーマが内包されています。

物語は主に4人の女性の視点から進められていく。野党国会議員の高月、その新米秘書の沢村、新聞記者の和田山、地方議員の間橋という、立場も住む場所も違う女性たちが緩やかに連帯していきます。そのきっかけとなるのは、「お嬢」と呼ばれる与党マドンナ議員の不可解な死から始まります。

国会議員、政策秘書、新聞記者、地方議員、、と、政治を取り巻く職業はすべからく男性中心社会です。とくに高齢男性による年功序列が徹底されているため、現状維持や異分子排除といったバイアスが働き、結果として衆議院では女性議員が10%以下、地方議会でも15%程度とマイノリティになっています。

出色なのは間橋が国会議員への出馬を決意するシーン。それまでは地方議員で目の届く範囲でゆったり暮らしながら身近な地域を良くしていきたいと考えていましたが、お嬢の遺志を知ってそれを自分事として捉えはじめ、選挙に挑んでいく姿は圧巻です。そういえば裏垢の伏線は回収されなかったな。

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