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新しい書店ビジネスのかたち

ぼんやりとワールドビジネスサテライトを観ていたら、DNPが書店以外の業態が新たに書店ビジネスに参入するサポートを行なう事業をリリースしたというニュースがありました。映像では札幌・定山渓のホテルの休憩室を風呂屋書店としてリニューアルしたものが採り上げられ、宿泊客への体験価値向上とともに書店がなくなった温泉街に再び文化拠点を取り戻す取組みとして注目です。

書店としての場所を維持する限界

いわゆる街の本屋さんと呼ばれる書店は、毎週どこかで閉店するような状況が続いており、2028年には街から書店がなくなるとも言われています。すでに書店自治体は3割程度に達していて、子どもや高齢者を中心に書籍にアクセスできる権利が失われているという指摘もあります。

一方でコンセプトを尖らせた個人書店や、棚貸しモデルのシェア型書店など新しい業態も増えてきており、まさに書店ビジネスは過渡期に差し掛かっていると考えられます。個人的にも神保町にあるシェア型書店「ほんまる」の棚主をしていることもあり、この書店ビジネスの変革には強い関心があります。

現在絶好調なSANCHACOワークスペース

2020年に開業したSANCHACOはおかげさまで稼働絶好調で、「猫が邪魔するワークスペース」としてのご利用がかなり多くなっています。保護猫たちの譲渡も次々と決まるようになり、人と猫の好循環が生まれてきている状況となっています。

一方で贅沢な悩みとしては、ワークスペースの利用者さん同士の相互交流がもっと生まれたり、せっかく猫好きという共通の価値観を持つ者同士で友達になっていけるような仕掛けが必要なのではないかと感じています。さらに個人的な状況では、建物の減価償却費に余裕あるので利益は不要だけど売上げをもっと高めていきたいという欲もあります。

本と猫という相性の良いキラーコンテンツ

このような猫のいる場を運営している強みを活かしつつ、書店ビジネスにどうやって参入するかをここ数ヶ月考えています。三軒茶屋のご近所には、Cat’s Meow Booksという人気の個人書店があり、そことはあまり競合しない形で運営できれば良いなと思っています。

例えば冒頭のDNPが提供するパッケージを使えば、SANCHACO自体を本屋に改装することもできそうですが、猫たちが日常的に居る場所での店舗運営だと書籍の汚損だったり様々な課題があるため、在庫を持たずにタッチポイントとしての機能強化を図る方向性で検討しています。

猫とゆったりできる注文書店

今考えているのは会員さんを中心に書籍注文を受け付けて、新刊発注した上でそれを取りに来てもらう際に猫たちとゆったり試し読みをしてもらう形です。そうすると在庫を保有することなく、またそこまで改装せずともスモールスタートできるイメージです。

すでに「ほんまる」では猫と積読という棚主名で運営している通り、自分自身が読みたい本を積読という形で仕入れておいて、実際に読むときに自分で購入するというマッチポンプ方式を取り入れている(笑)のですが、ほんまるだと新刊が8掛けで仕入れられるということもあって疑似的に注文書店運営はできそうです。

書店は新刊や話題書を集中的に売りまくることで収益構造を維持していますが、本の魅力はそこに留まるものではありません。よりスローに良い本を、猫たちと一緒に楽しめる空間づくりを進めていきたいです。

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サイエンスとプラグマティズムの間で
日本一生産性の上がらない保護猫が邪魔するワークスペース「SANCHACO/neco-makers」を世田谷区三軒茶屋で運営しております。ご興味のある方は是非! https://sanchaco.com