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野次猫コラム

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頭の中の整理用。気の赴くまま徒然に書いています。
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記事一覧

「正しいこと」vs「正しいこと」

最近のニュースでは、イスラム国に捕縛された日本人の人質に対して身代金が要求されていることをめぐって、様々な意見が出されています。その意見は大まかには2つに分けられます。 「生命はカネよりも重い。身代金を支払って人質を解放するべきだ」 「テロ組織に資金供給したら、二次的犯罪を生むので交渉してはいけない」 この2つの意見は、実はどちらも「正しいこと」です。人道的に正しいか、政治的に正しいかの違いであって、実は善し悪しで白黒はっきりと答えがでる問題ではありません。 好き嫌い

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信用と信頼の違い、手っ取り早い関係性をつくり直す

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。新しい年の抱負なんかは掲げなくなって久しいのですが、2022年はもっと更新していこうと考えています。 ラーメン屋で感じた、信用の重要性 年末に馴染みのラーメン屋さんに行ったときに、財布を忘れてしまったことに気づきました。何度も通っているので顔なじみになっており、店主は次来たときに払ってくれれば良いよ〜と言ってくれました。(その時はスマホを持っていたので、隣のコンビニATMでお金をおろして事なきを得ました。)

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東急ハンズをカインズが呑む、「都心の郊外化」

年の瀬に大きなニュースが飛び込んできました。東急ハンズをカインズが買収するということで、既存店舗はどうなるのか、"東急"ハンズという名前自体どうなるのかといった話題が出てきています。 都心の百貨店は郊外型ブランドの草刈場 少し前には大塚家具がヤマダ電機に買収されるなど、都市圏郊外が出発点だった小売チェーンが都心に進出するケースが目立ってきています。とくに外食産業では、スシローやくら寿司といったロードサイド型の回転寿司チェーンが都心のビル・テナントに業態を変えて進出してきて

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海外から逆輸入される水俣病

映画『MINAMATA』を観ました。水俣市は一昨年に訪問しており、日本初の環境モデル都市としての取組みに感銘を受けるとともにその凄惨な歴史に息を呑みました。 水俣病は教科書にも載っており、必ず学ぶ公害の代表例として知られています。そのくわしい状況については、是非とも現地に足を運んでいただきたいと思います。それとともに我々が現在進行系で胸に手を当てて考えなければいけないのは、風評被害についてです。 水俣病から東日本大震災、コロナ禍へ実際、水俣病は接触や空気感染するリスクはな

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スタンプカードは4つか5つで特典と交換すべきだ

近所の定食屋さん、女性1人で切り盛りしていて雰囲気が良いので、時々利用しています。メニューが少ない一方で作りたてを提供してくれるので、無性に食べたくなるんですね。いまは飲食店にとっても大変な時期ですが、テイクアウト含めて割と繁盛しているのであと少しの間頑張ってもらいたいです。 ここのスタンプカードが特徴的で、定食を4回食べると1回分が無料になるサービスをやっています。割引還元率で言えば25%!になるのでしょうか。客としてもすぐに無料で食べられるようになるのはうれしいですし、

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エーザイが達成したサステナブル・イノヴェイション

アルツハイマー新薬がFDA認可に認可されたことで注目されるエーザイは、実はSDGsにおいても先進的な取組みをしています。約13億人がリスクに晒されている熱帯性伝染病であるリンパ系フィラリアのDEC剤をWHOに無償提供して、「顧みられない熱帯病」を撲滅する姿勢を明確にしています。 社会貢献ではなく事業としてのSDGsこれは社会貢献活動かと言えば、むしろSDGsとしての事業が色濃いです。エーザイにとっては無償であっても薬剤をこれまでアクセスしていなかった市場に配ることができ、ま

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大型タンカーとタグボートの姿に大企業の未来を見る

世界の物流大動脈・スエズ運河で大型タンカーが座礁したとして話題となりました。3月23日に座礁したエバーグリーン号は、3月28日のスーパームーンによる満潮によって何とか離脱することができました。この1週間程度の停滞によって、損失額は10億ドルを超えるとみられます。 大型タンカー≒大企業というメタファーこのニュースを目にしたとき、行き詰まる大型タンカーが大企業の姿と重なりました。進路変更もままならず、浅瀬に乗り上げて座礁した様子は、収益性の悪化した既存事業からなかなか方向転換で

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感受性格差の時代

緊急事態宣言が明けて、桜も満開となっています。さっそく、新宿御苑に行って色鮮やかな桜を楽しみました。緊急事態宣言中は閉園していましたが、現在は予約制での入場制限を実施しており、今日も家族連れや桜の開花を待ちわびた人たちが数多く訪れていました。 移動ができなくなるとクリエイティビティを失う思えばこの1年は、制約条件がかけられた状態での行動を余儀なくされてきました。リモートワークや在宅勤務が一般的になる一方で、外出や長距離移動についても制限されるような風潮がありました。個人的に

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女性同士を分断させようとする社会

『あのこは貴族』という、東京のハイソサエティと地方出身の2人の女性の暮らしぶりのコントラストを描いた作品。といった説明だと、この2人がぶつかって物語が展開していくような印象を持つでしょう。そう、この「東京と地方」「金持ちと貧乏」といった分かりやすい二項対立こそが、日本社会においては曲者なのです。 狭い価値観に縛られる上流階級と地域コミュニティ分かりやすさであったり、説明のしやすさというのは既存のレールに乗せられやすいです。本当はハイコンテストな、階級やコミュニティ毎の文脈が

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五輪騒動に学力の衰退を憂う

森喜朗氏が五輪組織委員会会長を辞任し、その後任人事について混乱が続いています。当初は密室で川淵三郎氏への禅譲が進められようとしましたが、そのプロセスを問題視されて白紙に戻されました。 ジェンダー以前にムラ社会から脱却できてないこの問題を見聞きするにつけ、日本の知性が劣化していると世界に対して表明しているようなものだ、と感じてしまいました。国際大会の顔役である組織委員会会長のポストが、まるでムラ社会の長を決めるようなプロセスで担われていることが明らかになったからです。 それ

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なぜ女性の参加する会議は長いのか

東京五輪組織委員会・森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と、女性蔑視とも受け取れる発言をして問題となっています。 男性中心社会の会議が短い理由森氏は言わずと知れた総理経験者であり、政治の世界をずっと生きてこられています。政治家としては頂点に上られたということもあり、様々な役職を歴任されています。今回の東京五輪組織委員会も、最後のご奉公ということで引き受けられたのでしょう。 政治の世界を始め、男性中心の集合体においては忖度や不文律といったハイコンテク

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医療従事者に感謝するドラマ

Netflix強化月間の最後を飾るのは、『賢い医師生活』です。すでにシーズン2の公開が決まっている人気ドラマで、コロナ禍での病院の実態について理解できるオススメな内容となっています。 医者も人間であり、食事もすれば恋もする韓国ドラマは食事シーンがとても美味しそうなものが多く、このドラマも多分に漏れずよだれが出そうな様々なメニューが出てきます。5人の仲間たちが集まり、いろいろ食べながら掛け合いのように物語が展開していく様子は軽妙ですが、ときにシリアスかつユーモアなやり取りが発

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分断後のアメリカはどこに向かうのか

Netflixで映画『ヒルビリー・エレジー』を観ました。合衆国中部のプア・ホワイト(貧困白人層)のリアルな暮らしと鬱屈、貧困が再生産されていく様子を描いたベストセラーの映像化です。 大統領が代わって起こることアメリカ合衆国では、バイデン新大統領が誕生しました。プア・ホワイトと呼ばれる貧困層に支持されてきたトランプ前大統領は、選挙後も様々な混乱をもたらしてホワイトハウスを去っていきました。民主党・リベラル派のバイデン大統領に代わったことで、パリ協定への復帰や経済停滞に対する巨

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韓国版・半沢直樹『梨泰院クラス』

この年末年始はNetflixの動画を観まくっていました。中でもオリジナルコンテンツとしての韓流ドラマにハマり、『スタートアップ:夢の扉』『愛の不時着』『梨泰院クラス』『バガボンド』と一気に観てしまいました。 多様性を前提としたチームをつくる『梨泰院クラス』は、国籍や性別、犯罪歴といった様々な要素を乗り越えた仲間たちが、外食業界でのトップを目指して突き進んでいく青春群像劇です。父親の仇である巨大企業のトップに復讐を果たす姿は、“韓国版・半沢直樹”と呼ばれて人気を博しました。