サイエンスとプラグマティズムの間で

実験家・プラグマティスト。思考実験や社会実験を繰り返しながら、実用に向けた試行錯誤を実…

サイエンスとプラグマティズムの間で

実験家・プラグマティスト。思考実験や社会実験を繰り返しながら、実用に向けた試行錯誤を実際の体験として積み重ねることが好きです。呟きは主にThreadsで @taishibrian お問合せ⇒https://note.com/taishibrian/message

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世田谷区三軒茶屋にできる、猫を助ける賃貸「SANCHACO」を活用するためのコミュニティです。SANCHACOは保護猫の譲渡を条件とした賃貸住宅と、保護猫たちが常駐する共用スペース、カフェやスナックとして使えるレンタルスペースの居職住複合型施設です。猫にまつわる面白いこと、募集!

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固定された記事

板橋チャーハンのすすめ

板橋チャーハンについて以前書いたときから、その熱狂ぶりは加速しているように感じます。休日ともなると、丸鶴や丸福といった有名店には行列ができています。常連客とは平…

日本三大桜・三春滝桜

乗り物に乗っている時が最も読書が捗る性癖のため、青春18きっぷで桜前線を追いかけながら北上しました。桜の方はそんな人間の事情には付き合ってくれず、全国一斉に咲き始…

チームラボ・ボーダレスに見る、日本の勝ち筋

麻布台ヒルズにオープンした、「EPSON TeamLab Borderless」に行ってきました。9割方のお客さんが外国人で、インバウンド観光客が何を求めて東京や日本に訪れるのかを考察…

春と秋が短くなる、気候変動の現実

ようやく春らしい気候になり、桜も咲きましたね。早速愛犬と御嶽山に上って春を満喫してきました。今年は何だか2月頃にいきなり暖かくなったかと思ったら、3月上旬は一気…

エイプリルフールに思う、正直者が勝つ世の中になってきた理由

4月1日といえば、エイプリルフールです。しかし、これだけAIが発達した世の中になってくると、あらゆる文章や画像にフェイクが含まれていて、むしろ毎日が嘘つきを見分ける…

琵琶湖に浮かぶ「猫島」だった、沖島の未来

琵琶湖にある有人離島・沖島をご存じでしょうか?もともとは琵琶湖水運の拠点として重要視され、やがて石工職人たちが住み着き、現在は漁業を中心に200人余りの島民が暮ら…

21世紀の京都学派?欧米へのアンチテーゼとしての社会的共通資本とは

京都大学人と社会の未来研究院社会的共通資本と未来寄附研究部門特別シンポジウム『進化する社会的共通資本』に参加してきました。何とも不思議な内容で、まだ感想はまとめ…

京アニ事件が死刑執行されない事情

2019年7月に発生した京都アニメーション放火事件は、36名死亡という近年稀に見る凄惨な殺人事件です。犯人として逮捕された青葉真司被告は、全身火傷で死の淵をさまようも…

月末は「終わらせる日」にする。

いつしか様々なサービスがサブスクになって、私たちの生活を取り囲んでいます。動画を観たければNetflix、読書したければKindle Unlimitedといった、従来であればレンタル…

「能登半島は見捨てるべき」なのか

元日に発生した能登半島地震、半月が経った現在でも水道や道路のインフラは寸断され、救助活動もままならない状況で復興などはさらに先の話になっています。一部では能登半…

ペットのいる家庭に必要な50%自給自足

我が家には1匹の犬(中型犬)と5匹の猫がいて、災害については他人事ではありません。自宅は高台に立地しており、避難するよりも自宅でのレジリエンスを上げていくことが…

アフターコロナだからこその「やり取り」の大切さ

あけましておめでとうございます。2023年はコロナ禍が終息し、日常生活を取り戻した1年となりました。コロナ禍において普及した、リモートワークやワーケーションなんて慣…

『地方創生』時代の終焉

10年以上ローカルの現場に携わってきて、コロナ禍が起こって完全に状況が置き換わった感があります。具体的には、地域のインフラをはじめとした様々な基幹構造がもはや持続…

阪神タイガースという幸福

阪神タイガースが日本シリーズ第7戦でオリックスバファローズを下し、悲願の日本一を達成しました。前回1985年から実に38年ぶり、当時小学生だった私も立派な中年となりま…

絶望の王・ゴジラの復活(ゴジラ-1.0レビュー)

『シン・ゴジラ』からは7年ぶりとなる、国内版ゴジラ新作『ゴジラ−1.0』が公開されました。大人の事情でこれだけの期間が空いてしまったようですが、前作を超えることは無…

2023年阪神タイガースのドラフト予想

2023年圧倒的な強さでセ・リーグ制覇した阪神タイガース、連覇さらには黄金時代を築くためには、継続的な補強は欠かせません。その大きな柱となるのはドラフトであることは…

固定された記事

板橋チャーハンのすすめ

板橋チャーハンについて以前書いたときから、その熱狂ぶりは加速しているように感じます。休日ともなると、丸鶴や丸福といった有名店には行列ができています。常連客とは平日と棲み分けができているみたいですが、店主の高齢化も相まって不定期営業の店も出てきています。 家賃を払わないで半チャーハンを出すそもそもなぜ板橋区がチャーハンで有名なのか、それは町中華の隆盛と相関があります。板橋区には工場が多く、肉体労働者の集まる地域としてカロリー摂取できる町中華が数多く立地しました。東京23区のな

日本三大桜・三春滝桜

乗り物に乗っている時が最も読書が捗る性癖のため、青春18きっぷで桜前線を追いかけながら北上しました。桜の方はそんな人間の事情には付き合ってくれず、全国一斉に咲き始めた模様です。 10年ほど前に、福島県被災地の復興支援の仕事をしていました。その際にいつも通るのが三春町で、滝桜という樹齢千年とも言われる日本三大桜の古樹があることを知りました。なかなか花が咲くタイミングには来れず、またコロナ禍もあって訪問する機会がありませんでした。そんな経緯もあって、改めて桜の季節に三春に行くこ

チームラボ・ボーダレスに見る、日本の勝ち筋

麻布台ヒルズにオープンした、「EPSON TeamLab Borderless」に行ってきました。9割方のお客さんが外国人で、インバウンド観光客が何を求めて東京や日本に訪れるのかを考察してみました。 花鳥風月という日本文化の蓄積こちらの展示では、主に鳥獣戯画のような動物たちの姿が自然のなかで躍動する姿が描かれていました。視覚、聴覚、そして嗅覚や触覚まで刺激する五感全体で体験する没入型デジタルミュージアムというコンセプトです。非言語的に体感できるのがポイントで、あらゆる国のあ

春と秋が短くなる、気候変動の現実

ようやく春らしい気候になり、桜も咲きましたね。早速愛犬と御嶽山に上って春を満喫してきました。今年は何だか2月頃にいきなり暖かくなったかと思ったら、3月上旬は一気に冷え込んで桜の開花が遅れ、いつもは真っ先に開花する東京の桜がつぼみのまま4月までずれ込んだ印象です。 春と秋が短くなっている気象庁によると、日本の平均気温は100年前に比べて+1.29℃となっており、とくに春は+1.62℃と他の季節(夏+1.25℃、秋+1.36℃、冬+1.24℃)に比べて変動幅が大きくなっています

エイプリルフールに思う、正直者が勝つ世の中になってきた理由

4月1日といえば、エイプリルフールです。しかし、これだけAIが発達した世の中になってくると、あらゆる文章や画像にフェイクが含まれていて、むしろ毎日が嘘つきを見分けるような状況になってきています。 アテンションエコノミーの罠有益かどうかよりも、関心度・注目度の高い情報にクリック数という経済指標が集まってしまうアテンションエコノミーにおいては、極端な言説だったり注目を集める動画・画像などが粗製濫造され、結果的に本当に有益な情報が埋もれてしまうといった状況になってきています。

琵琶湖に浮かぶ「猫島」だった、沖島の未来

琵琶湖にある有人離島・沖島をご存じでしょうか?もともとは琵琶湖水運の拠点として重要視され、やがて石工職人たちが住み着き、現在は漁業を中心に200人余りの島民が暮らしています。そしてこの沖島は、某写真家によってたくさんの猫たちが暮らす「猫島」として全国的に有名になりました。 春の沖島に渡る桜の咲く直前、春の訪れを待つ沖島に上陸しました。近江八幡駅から町営バスで小一時間程度の堀切港に向かい、そこから1時間に1本程度の定期船に乗って10分で到着します。その気になれば京都・大阪の大

21世紀の京都学派?欧米へのアンチテーゼとしての社会的共通資本とは

京都大学人と社会の未来研究院社会的共通資本と未来寄附研究部門特別シンポジウム『進化する社会的共通資本』に参加してきました。何とも不思議な内容で、まだ感想はまとめきれていませんが、とっ散らかった思考のまま書き残しておこうと思います。 社会的共通資本とは日本の経済・社会学者 宇沢弘文氏が提唱した、「すべての人びとが、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力のある社会を持続的、安定的に維持を可能にする自然環境や社会的装置」と定義される社会システムの基盤となるもの

京アニ事件が死刑執行されない事情

2019年7月に発生した京都アニメーション放火事件は、36名死亡という近年稀に見る凄惨な殺人事件です。犯人として逮捕された青葉真司被告は、全身火傷で死の淵をさまようものの、医師団の懸命な治療によって一命を取り留め、多くの被害者遺族と裁判で向き合っています。2024年1月には京都地裁により死刑判決が下され、被告側弁護人から即日控訴を受けて大阪高裁に舞台が移される見込みとなっています。 日本の司法が揺らぐ、相次ぐ冤罪事件警察から送致された事件を調査する検察、そして量刑を判断する

月末は「終わらせる日」にする。

いつしか様々なサービスがサブスクになって、私たちの生活を取り囲んでいます。動画を観たければNetflix、読書したければKindle Unlimitedといった、従来であればレンタルだったり購買していた趣味の分野でも月額課金が当たり前になっています。 同様に、食品や家具、クルマさらには旅行といった分野にまでサブスクは広がっており、そのための買い物や手配の手間を考えると合理的なものも選択肢が多くなっている印象です。様々なものを所有するのがステイタスだった時代に比べて、ミニマリ

「能登半島は見捨てるべき」なのか

元日に発生した能登半島地震、半月が経った現在でも水道や道路のインフラは寸断され、救助活動もままならない状況で復興などはさらに先の話になっています。一部では能登半島のような過疎地域に対して、多額の復興予算をかけてインフラや防潮堤などを整備するのはコスパが合わない、といった東日本大震災のときにも聞こえた議論が出始めています。 能登半島ほど生物多様性を象徴する場所はない個人的に、能登半島は数回訪れたことがあり、とても気に入っています。まず食べ物がとても美味しい、というのも日本海の

ペットのいる家庭に必要な50%自給自足

我が家には1匹の犬(中型犬)と5匹の猫がいて、災害については他人事ではありません。自宅は高台に立地しており、避難するよりも自宅でのレジリエンスを上げていくことがペットと暮らす上では重要と判断し、水とエネルギーの50%程度を自給できる体制を構築しました。 雨水タンクの設置雨水タンクは自治体の設置補助金を活用して、200Lの大型のものを設置しました。東京都内であればおよそ1/2程度まで補助されるので、50,000円程度のものを25,000円ほどで購入できました。雨樋から流れるパ

アフターコロナだからこその「やり取り」の大切さ

あけましておめでとうございます。2023年はコロナ禍が終息し、日常生活を取り戻した1年となりました。コロナ禍において普及した、リモートワークやワーケーションなんて慣習も何だか懐かしく感じてしまいます。 個人的には、もともと社交的な性格でもないために没交渉になってしまった友人知人も多く、今年はもっとリアルに会って話す機会を設けていきたいと考えています。もちろん、オンラインでのミーティングやチャットといったツール面での発展も大きく見られた昨今ですが、よりアナログかつ直接的な「や

『地方創生』時代の終焉

10年以上ローカルの現場に携わってきて、コロナ禍が起こって完全に状況が置き換わった感があります。具体的には、地域のインフラをはじめとした様々な基幹構造がもはや持続不可能に陥っており、根本原因としての人手不足がのっぴきならないところまできている実感を、各地を再訪するなかで非常に強く感じます。 それとともに、従来の地方創生というデフレ経済下における政策パッケージが完全に機能しなくなっている実情も明らかになっています。国が国債を発行し、政府支出という税収の再分配から雇用創出や事業

阪神タイガースという幸福

阪神タイガースが日本シリーズ第7戦でオリックスバファローズを下し、悲願の日本一を達成しました。前回1985年から実に38年ぶり、当時小学生だった私も立派な中年となりました。思えば、バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発を見た次の日に縦縞のパジャマを着るようになり、長い暗黒時代を経て勝てそうで勝てない21世紀初頭、、氷河期世代の人生と歩調を合わせるような阪神タイガースの成績でした。 そんな自分自身の振り返りはさておき、この日本一を達成してくれた素晴らしいチームのメンバーそ

絶望の王・ゴジラの復活(ゴジラ-1.0レビュー)

『シン・ゴジラ』からは7年ぶりとなる、国内版ゴジラ新作『ゴジラ−1.0』が公開されました。大人の事情でこれだけの期間が空いてしまったようですが、前作を超えることは無理難題であるのも事実でしょう。そんな高いハードルをいとも簡単に超えてきた印象です。 火力では敵わない相手に立ち向かう勇気舞台となったのは終戦まもない1940年代後半、焼け野原となった日本では軍備が解体され、対ゴジラの主戦力となる自衛隊も組織されていません。まさしくゼロの状態のところにゴジラが上陸し、復興が始まって

2023年阪神タイガースのドラフト予想

2023年圧倒的な強さでセ・リーグ制覇した阪神タイガース、連覇さらには黄金時代を築くためには、継続的な補強は欠かせません。その大きな柱となるのはドラフトであることは言うまでもなく、近年のドラフト成功が現有戦力の充実に結び付いています。 阪神タイガースの補強ポイント年齢分布としては若く戦力が揃っているとは言え、補強ポイントは明確に存在します。大卒年齢の2001年生まれでは右投手、右の内野手、左の外野手が不足しており、レギュラークラスが離脱した場合のバックアップや若手の競争環境