猫の地域経済研究所(ネコノミーラボ)

サステナブルな地域づくりの専門家。学術的なアプローチと実践的なノウハウを組み合わせ… もっとみる

猫の地域経済研究所(ネコノミーラボ)

サステナブルな地域づくりの専門家。学術的なアプローチと実践的なノウハウを組み合わせて地域イノベーションを創出し、全国各地での事業の0→1づくりを進めている。行政トップの右腕、大学教員と産官学を歴任。お問合せ⇒https://note.com/taishibrian/message

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世田谷区三軒茶屋にできる、猫を助ける賃貸「SANCHACO」を活用するためのコミュニティです。SANCHACOは保護猫の譲渡を条件とした賃貸住宅と、保護猫たちが常駐する共用スペース、カフェやスナックとして使えるレンタルスペースの居職住複合型施設です。猫にまつわる面白いこと、募集!

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固定された記事

福島原発付近の放射性物質はどうなったのか

数年前、福島第一原発から30km圏内にある森林組合の復興をお手伝いしました。2011年の原発事故以降、宅地や農地は除染が進められてきました。黒いフレコンバッグが積まれた…

阪神タイガースはなぜ優勝したのか

2023年セ・リーグは、阪神タイガースが優勝しました。球団としては2005年以来18年ぶり、岡田監督は再就任1年目での快挙でした。岡田監督が常々口にしていた“アレ”はチー…

阪神タイガースを変えた2013“神ドラフト”

2023年ペナントレースも大詰め、我らが阪神タイガースは18年ぶりのアレに向かってマジックを減らしつつあります。今年就任した岡田監督の手腕もさることながら、その中心に…

あの日、諦めずにアフリカを出た先祖がいた。

私たち人類は、ホモ・サピエンスという種族です。近縁にはネアンデルタール人やデニソワ人など、すでに絶滅したけど人類の遺伝子に数%ほど交雑している亜種も存在します。…

日本人は「海」をもっと理解した方が良い

上野の国立科学博物館で開催されている特別展「海−生命のみなもと−」を観てきました。海の展示なのに、宇宙のはやぶさプロジェクトから始まる、何ともスケールの大きな内…

“あなた”は人間と微生物でできている

盲腸という内臓器官をご存じでしょうか。虫垂炎になると、以前は盲腸切除してしまう治療が多かったのですが、実はとても重要な役割を持っていたとして現在では盲腸切除は推…

日本ローカルの勝ち筋としてのSDGs⇒ESGへ

SDGsは、何だか地球や環境に良いことをしようといった漠然とした善意による取組みといった認識が日本においては支配的です。しかし、世界においてはむしろそんな甘ちょろい…

阪神ファン、エスコンフィールド北海道に行く

「Boys be Ambitious(少年よ、大志を抱け)」と言ったクラーク博士、その言葉が発せられたのは北広島市にある旧島松駅逓所です。そこからほど近い場所に、北海道日本ハム…

脱「地域活性化」縮小均衡の時代へ

全国各地に地方創生や地域活性化といった言葉が駆け巡り、久しいです。多くの自治体が高齢化や過疎化といった人口動態の問題を掲げ、人口ビジョンという目標を設定して移住…

日本史の空白地帯・卑弥呼と邪馬台国

弥生時代は紀元前10世紀〜紀元3世紀の約1,300年ほどと言われており、稲作を中心とした農耕生活と、それに伴う身分階級制度が確立した年代と言われています。そこに登場した…

『冒険の書』が見つからない大人たちへ

孫泰蔵さんの新著『冒険の書 AI時代のアンラーニング』を読みました。ChatGPTが普及し始める等、AIの浸透が始まっている現在、知識の詰込みやテクニックに偏重した受験など…

WBCに見る、日本と韓国の育成環境の違い

WBC日本代表の活躍が素晴らしいです。3月11日には、12年前の震災で父親と祖父母を亡くした佐々木朗希投手が先発し、見事にチェコ代表に勝利しました。そして、宇田川優希投…

2023/2/23 富士山の日

猫の脱走とリスキリング

先日、私の運営するSANCHACOから猫が脱走しました。お世話に来ていた人が換気のために窓を開けていたところ、網戸を器用に開けて出ていってしまったということで、すぐに捜…

菜食兼備のススメ

明けましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いいたします。本年、ゆるっと始めようと考えているのは、菜食主義です。といっても厳格なものではなく、フレキシタ…

環境問題の敵は、資本主義ではなく陰謀論

環境問題は人類共通の取り組むべき分野として、関心が広がってきています。とくに若年層においては、購買行動や職業選択においてもいかに環境に配慮しているかが企業を評価…

固定された記事

福島原発付近の放射性物質はどうなったのか

数年前、福島第一原発から30km圏内にある森林組合の復興をお手伝いしました。2011年の原発事故以降、宅地や農地は除染が進められてきました。黒いフレコンバッグが積まれた光景に見覚えのある人もいるでしょう。 この除染土は約30万㎥にのぼり、福島県内の同一自治体の公有地等に保管されています。一部、県外に運び出されたものについては地下に厳重保管されるといった形で、線量をモニタリングしつつ管理されています。 放射性セシウムはどうなったのか原発事故以降、よく話題に上がっていたのが放

阪神タイガースはなぜ優勝したのか

2023年セ・リーグは、阪神タイガースが優勝しました。球団としては2005年以来18年ぶり、岡田監督は再就任1年目での快挙でした。岡田監督が常々口にしていた“アレ”はチームスローガンになり、また流行語大賞にノミネートされることも確実でしょう。「憧れるのをやめましょう」とどちらが票を集めるか注目です。 岡田監督はオーソドックスな戦術を好み、選手の守備位置や打順をほぼ固定して使うなど、昭和スタイルな王道野球が信条です。そこに最先端の選手マネジメントやモチベーション維持といった戦

阪神タイガースを変えた2013“神ドラフト”

2023年ペナントレースも大詰め、我らが阪神タイガースは18年ぶりのアレに向かってマジックを減らしつつあります。今年就任した岡田監督の手腕もさることながら、その中心にはドラフトによって獲得した球団生え抜きの選手たちの活躍が目立ちます。 阪神タイガースの暗黒時代阪神タイガースは2003年に故星野監督の下、セ・リーグ制覇するまでは最下位が定位置の弱小球団でした。1985年の日本一翌年から2002年までの17年間で最下位の6位を10回も経験するなど、まさに暗黒時代と呼ばれる体たら

あの日、諦めずにアフリカを出た先祖がいた。

私たち人類は、ホモ・サピエンスという種族です。近縁にはネアンデルタール人やデニソワ人など、すでに絶滅したけど人類の遺伝子に数%ほど交雑している亜種も存在します。そして我らが祖先であるホモ・サピエンスは、アフリカが起源であることが分かっています。 一度目の“出アフリカ”は失敗していたアフリカ大陸で誕生した人類は、ユーラシア大陸への進出を試みます。現在でも同様ですがアフリカ大陸からユーラシア大陸に出るためには、エジプト北部のスエズを通るか、紅海の入口にあるバブ・エル・マンデブ海

日本人は「海」をもっと理解した方が良い

上野の国立科学博物館で開催されている特別展「海−生命のみなもと−」を観てきました。海の展示なのに、宇宙のはやぶさプロジェクトから始まる、何ともスケールの大きな内容でした。 人間のなかに生物進化の過程が内包されている近年の研究では、人間を含む真核生物は複数の単細胞生物(原核生物)が組み合わさり、細胞体のなかに複数の役割を分担するように共生することで進化が進んでいったと考えられています。ミトコンドリアのような細胞内小器官は、その進化の証明と言われています。 16時間ダイエット

“あなた”は人間と微生物でできている

盲腸という内臓器官をご存じでしょうか。虫垂炎になると、以前は盲腸切除してしまう治療が多かったのですが、実はとても重要な役割を持っていたとして現在では盲腸切除は推奨されていません。その盲腸の役割とは、腸内細菌叢つまり善玉菌の棲み処として消化や人体の様々な機能を援ける働きを持っています。 腸内細菌は、最近ではヤクルト1000などで注目されていますが、睡眠やストレスといった自律神経系の制御や、新型コロナウィルス等の疾病を防ぐ免疫力を高める作用があります。とくに大腸には樹状細胞と呼

日本ローカルの勝ち筋としてのSDGs⇒ESGへ

SDGsは、何だか地球や環境に良いことをしようといった漠然とした善意による取組みといった認識が日本においては支配的です。しかし、世界においてはむしろそんな甘ちょろいことを言っている場合ではなく、グローバルの新たなルールとして、まるでいきなり五輪での競技が不利になってしまう事態が進行しています。 日本では主にSDGsという言葉が使われがちですが、世界は金融・投資の世界を中心にESGを盛り込むことにまさに必死になっています。Environment, Society, Gover

阪神ファン、エスコンフィールド北海道に行く

「Boys be Ambitious(少年よ、大志を抱け)」と言ったクラーク博士、その言葉が発せられたのは北広島市にある旧島松駅逓所です。そこからほど近い場所に、北海道日本ハムファイターズの新たな本拠地・エスコンフィールド北海道が造られました。 折しもプロ野球セパ交流戦で、我らが阪神タイガースがこの地で戦うため、勇躍乗り込んできました。プロ野球ファンのみならず、観光客や地域住民が気軽に利用できる地域密着型のボールパークという大志を実現した理想郷を体験してきました。 阪神フ

脱「地域活性化」縮小均衡の時代へ

全国各地に地方創生や地域活性化といった言葉が駆け巡り、久しいです。多くの自治体が高齢化や過疎化といった人口動態の問題を掲げ、人口ビジョンという目標を設定して移住等の社会増加および出生率向上等の自然増加を目指しました。 雇用創出、若者誘致、SNS活用という正義これら地域活性化に対する取組みとして、半ば常套句のように語られる文言が存在します。「ローカルビジネスを拡大することで雇用を創出する」「イベントや体験を通して若者に地域の魅力を知ってもらう」「SNSを活用することで地域のフ

日本史の空白地帯・卑弥呼と邪馬台国

弥生時代は紀元前10世紀〜紀元3世紀の約1,300年ほどと言われており、稲作を中心とした農耕生活と、それに伴う身分階級制度が確立した年代と言われています。そこに登場したのが卑弥呼であり、魏志倭人伝という中国の歴史書に邪馬台国(邪馬臺国)の記載が見られました。 歴史的に有名も、何も分かっていない邪馬台国と卑弥呼は、日本史の教科書に必ず登場し、有名ですがその実態はほとんど分かっていません。それもそのはず、魏志倭人伝に残された数千字の記載のみがその存在を伝えているわけで、日本史に

『冒険の書』が見つからない大人たちへ

孫泰蔵さんの新著『冒険の書 AI時代のアンラーニング』を読みました。ChatGPTが普及し始める等、AIの浸透が始まっている現在、知識の詰込みやテクニックに偏重した受験などの教育・キャリア形成が根底から覆されるものと予測されています。そんなシンギュラリティの世界で人間は何を目指していけば良いのか、これまでの哲学者や科学者たちが構築してきた教育システムの歴史を紐解きながら一緒に考えていく内容です。 現代社会に埋めこまれる、メリトクラシーの罠現在の日本は良い学校に進学し、良い会

WBCに見る、日本と韓国の育成環境の違い

WBC日本代表の活躍が素晴らしいです。3月11日には、12年前の震災で父親と祖父母を亡くした佐々木朗希投手が先発し、見事にチェコ代表に勝利しました。そして、宇田川優希投手を挟んで同級生の宮城大弥投手に継投し、宮城投手は5イニングを完璧に封じ込める活躍でした。 佐々木朗希・宮城大弥の躍進を支えた地域佐々木投手や宮城投手は、決して恵まれた環境で育ったわけではありません。本人たちの類まれなる努力はもちろんですが、相対的貧困と呼ばれる生活水準にありながら、野球を続けられる環境を地域

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2023/2/23 富士山の日

猫の脱走とリスキリング

先日、私の運営するSANCHACOから猫が脱走しました。お世話に来ていた人が換気のために窓を開けていたところ、網戸を器用に開けて出ていってしまったということで、すぐに捜索に乗り出しました。 猫を捕まえるための捕獲器の仕掛け方 すぐに保護団体に連絡し、アドバイスをいただきながら捕獲器をセットしていきます。猫は逃げ出したとしても、自分のテリトリーのすぐそば50m四方以内に潜んでいることが多く、次第に遠くに行ってしまうということなので時間との戦いでもあります。また、その週は週末

菜食兼備のススメ

明けましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いいたします。本年、ゆるっと始めようと考えているのは、菜食主義です。といっても厳格なものではなく、フレキシタリアンと呼ばれる植物性食品を中心としたライフスタイルです。 思想信条ではなく、現実的な課題として 気候変動において、全世界における温室効果ガスのうち畜産業由来は14%程度と言われています。とくに牛肉は環境負荷が非常に高く、肉1kgを生産するのに約20kg分の二酸化炭素を排出します。また牛のゲップに含まれるメタン

環境問題の敵は、資本主義ではなく陰謀論

環境問題は人類共通の取り組むべき分野として、関心が広がってきています。とくに若年層においては、購買行動や職業選択においてもいかに環境に配慮しているかが企業を評価する基準となってきています。しかし、実は多くの取組みがファッション的、良いことをしている風になっているのも事実であり、グリーンウォッシュにならない取組みが求められます。 近年、スーパーのレジ袋が有料になったり、コンビニのスプーンが木製になるといった取組みが広がりつつあります。これらは否定されることではありませんが、ア