第三話:神通川の流れを包む
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『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』
「次は鵜坂神社でお神楽を舞う準備をしなければなりません。」
セオリツ姫は、巫女として多久比禮志神社と鵜坂神社を忙しそうに行き来している。売比川を挟んで東西に位置する神社において、それぞれ神職を担っている。これまでも数多くの故人たちの口寄せをしてきたが、中でも鮮明に印象に残っているのは越国のヌナカワ姫と科野国のアキ姫だ。大陸から戦略物質としての鉄を手に入れ、それを農具として生かして土地改良を行なうという記憶は、セ