サイエンスとプラグマティズムの間で

実験家・プラグマティスト。思考実験や社会実験を繰り返しながら、実用に向けた試行錯誤を実…

サイエンスとプラグマティズムの間で

実験家・プラグマティスト。思考実験や社会実験を繰り返しながら、実用に向けた試行錯誤を実際の体験として積み重ねることが好きです。呟きは主にThreadsで @taishibrian お問合せ⇒https://note.com/taishibrian/message

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『地方創生2.0』とは何か

10月より石破茂・第102代内閣総理大臣が誕生し、新たな政策をスタートさせています。私自身、初代地方創生担当大臣だった石破さんの下で地方創生シティマネージャーとして…

新しい書店ビジネスのかたち

ぼんやりとワールドビジネスサテライトを観ていたら、DNPが書店以外の業態が新たに書店ビジネスに参入するサポートを行なう事業をリリースしたというニュースがありました…

虚構と現実のシェアードユニバース 映画『ラストマイル』評

映画『ラストマイル』を観ました。塚原あゆ子監督、野木亜紀子脚本、新井順子プロデューサーという黄金タッグは、『アンナチュラル』『MIU404』とテレビドラマでヒットを飛…

第八話:斐伊川に流るるクシナダ姫の涙

タイトル・あらすじはコチラ↓ 『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』 「二本の木の棒が流れてくるわ。」 肥川のほとりで、雲国の皇女クシナダ姫は二本の木の棒が流れてくるこ…

第七話:日野川と国引き

タイトル・あらすじはコチラ↓ 『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』 「八叉のオロチは火ノ川に住んでいる。」 コノハナサクヤ姫は子どもの頃から、言い伝えを聞いていた。火…

第六話:千代川の砂を生むもの

タイトル・あらすじはコチラ↓ 『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』 「まるで馬の背のようね。」 千谷川の河口には、まるで砂漠のような洲が形成されている。そこには北風に…

『地方創生2.0』とは何か

『地方創生2.0』とは何か

10月より石破茂・第102代内閣総理大臣が誕生し、新たな政策をスタートさせています。私自身、初代地方創生担当大臣だった石破さんの下で地方創生シティマネージャーとして地方自治体の総合戦略策定に携わった経験があり、この10年の地方創生政策にまつわる栄枯盛衰を見てきました。

従来の延長線では厳しい地方創生政策石破首相が地方創生をライフワークとしてきて、またそれをアップデートすることに本気であることは、

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新しい書店ビジネスのかたち

新しい書店ビジネスのかたち

ぼんやりとワールドビジネスサテライトを観ていたら、DNPが書店以外の業態が新たに書店ビジネスに参入するサポートを行なう事業をリリースしたというニュースがありました。映像では札幌・定山渓のホテルの休憩室を風呂屋書店としてリニューアルしたものが採り上げられ、宿泊客への体験価値向上とともに書店がなくなった温泉街に再び文化拠点を取り戻す取組みとして注目です。

書店としての場所を維持する限界いわゆる街の本

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虚構と現実のシェアードユニバース 映画『ラストマイル』評

虚構と現実のシェアードユニバース 映画『ラストマイル』評

映画『ラストマイル』を観ました。塚原あゆ子監督、野木亜紀子脚本、新井順子プロデューサーという黄金タッグは、『アンナチュラル』『MIU404』とテレビドラマでヒットを飛ばしてきました。今回の映画は、巨大ECサイトの裏側の流通網が舞台であり、満島ひかりさん演じるエレナと岡田将生さん演じるコウという主人公に、『MIU404』『アンナチュラル』の登場人物たちが絡む“シェアードユニバース”作品として話題にな

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第八話:斐伊川に流るるクシナダ姫の涙

第八話:斐伊川に流るるクシナダ姫の涙

タイトル・あらすじはコチラ↓
『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』

「二本の木の棒が流れてくるわ。」
肥川のほとりで、雲国の皇女クシナダ姫は二本の木の棒が流れてくることに気が付いた。雲国に住む農民たちは箸を使う習慣はなく、クシナダ姫も海の向こうに住む異民族がこの箸というものを食事の際に使うのだと聞いたことがある。

「わしの妻になれ。」
そこに一人の男がやってきた。名をスサノオという。スサノオはクシ

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第七話:日野川と国引き

第七話:日野川と国引き

タイトル・あらすじはコチラ↓
『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』

「八叉のオロチは火ノ川に住んでいる。」
コノハナサクヤ姫は子どもの頃から、言い伝えを聞いていた。火ノ川では度々洪水が発生しており、その度にオロチが来たと農民たちは怖れている。火ノ川では下流域に砂が蓄積し、砂洲や砂の自然堤が多く形成されている。そしてそれらは火ノ川の気まぐれで流路を変え、度々農民たちの暮らしを脅かしていたのだ。まさにオ

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第六話:千代川の砂を生むもの

第六話:千代川の砂を生むもの

タイトル・あらすじはコチラ↓
『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』

「まるで馬の背のようね。」
千谷川の河口には、まるで砂漠のような洲が形成されている。そこには北風によって築かれた砂の山があり、地元の民は「馬の背」と呼んでいた。海に向かって断続的に砂丘が続いており、高くなった砂丘の頂上からは大山や隠岐まで見えた。低地には入海が広がって湿地帯となっており、渡り鳥や様々な生き物たちが羽を休めている。人々

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