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野次猫コラム

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頭の中の整理用。気の赴くまま徒然に書いています。
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#コラム

古き良きアメリカ≒プラグマティズムの終焉

アメリカ大統領選挙が実施され、共和党候補のトランプ前大統領が勝利しました。「Make Amrica Great Again」という言葉を連呼し、インフレによる物価高騰や貧富の格差拡大に苦しむ中間層の投票を集めた格好です。 一方で敗れた民主党候補のハリス氏は、むしろ自滅していったという印象です。貧富の格差に対する不満が高まっているのにテイラー・スウィフトやレディー・ガガといったセレブが登場して支持を表明し、多くの国民たちが望む経済対策については具体策が乏しいといった形で、有権

にわとりという最高の家畜を巡る人間模様

最近、興味を持っているのがにわとりです。卵も鶏肉も食べられるもっとも身近な家畜として、いったいどのような進化を遂げてきたのか、あるいは人間社会とどういった関わりを持ってきたのか、その存在に魅了されています。 にわとりが先か、卵が先か?「にわとりが先か卵が先か」という慣用句はよく用いられますが、実際に鶏卵産業では1羽当り年間約300個もの卵を産みます。偶然にも、日本人1人が年間口にする鶏卵の数は300個と言われています。1日に1個のペースで、体重約2kgのにわとりが約60gと

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京アニ事件が死刑執行されない事情

2019年7月に発生した京都アニメーション放火事件は、36名死亡という近年稀に見る凄惨な殺人事件です。犯人として逮捕された青葉真司被告は、全身火傷で死の淵をさまようものの、医師団の懸命な治療によって一命を取り留め、多くの被害者遺族と裁判で向き合っています。2024年1月には京都地裁により死刑判決が下され、被告側弁護人から即日控訴を受けて大阪高裁に舞台が移される見込みとなっています。 青葉容疑者の極刑は確実視されるものの、その判決および執行に対しては司法機関が二の足を踏む状況

月末は「終わらせる日」にする。

いつしか様々なサービスがサブスクになって、私たちの生活を取り囲んでいます。動画を観たければNetflix、読書したければKindle Unlimitedといった、従来であればレンタルだったり購買していた趣味の分野でも月額課金が当たり前になっています。 同様に、食品や家具、クルマさらには旅行といった分野にまでサブスクは広がっており、そのための買い物や手配の手間を考えると合理的なものも選択肢が多くなっている印象です。様々なものを所有するのがステイタスだった時代に比べて、ミニマリ

ポスト・ジャニーズ事務所な芸能界

ジャニー喜多川前代表の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所、芸能界に対して陰に日向に大きな影響力を及ぼしてきた存在だけに、その存亡の危機は芸能界の勢力図が一変する可能性を秘めています。そのポジションを奪う一番手として挙げられるのがEXILEや三代目JSoulBrothersを擁するLDHであり、早速HIRO氏が代表復帰するなど機を見るに敏な動きを見せています。 また虎視眈々と日本エンタメ市場を狙っている黒船的存在として、韓国勢も見逃せないでしょう。NiziUを誕生させたJYP

日本人は「海」をもっと理解した方が良い

上野の国立科学博物館で開催されている特別展「海−生命のみなもと−」を観てきました。海の展示なのに、宇宙のはやぶさプロジェクトから始まる、何ともスケールの大きな内容でした。 人間のなかに生物進化の過程が内包されている近年の研究では、人間を含む真核生物は複数の単細胞生物(原核生物)が組み合わさり、細胞体のなかに複数の役割を分担するように共生することで進化が進んでいったと考えられています。ミトコンドリアのような細胞内小器官は、その進化の証明と言われています。 16時間ダイエット

環境問題の敵は、資本主義ではなく陰謀論

環境問題は人類共通の取り組むべき分野として、関心が広がってきています。とくに若年層においては、購買行動や職業選択においてもいかに環境に配慮しているかが企業を評価する基準となってきています。しかし、実は多くの取組みがファッション的、良いことをしている風になっているのも事実であり、グリーンウォッシュにならない取組みが求められます。 近年、スーパーのレジ袋が有料になったり、コンビニのスプーンが木製になるといった取組みが広がりつつあります。これらは否定されることではありませんが、ア

「40歳は惑う」人生100年時代の折り返し地点

積丹半島で開催された対談に参加しました。題して『積丹で感じる余白力』というテーマで、旅のサブスク「HafH」共同創業者の大瀬良亮さんと、この春から積丹の拠点「岬の湯しゃこたん」運営を始めたSHAKOTANGO代表の五十嵐慎一郎さんのお話を伺いました。 「余白力」とは何か聞きなれないキーワードが出てきました。主に旅の観点からの「余白力」は大瀬良亮さんがnoteにくわしく書いているので、そちらをご参照ください。 個人的には昨年、この道東で開催された「#つながる余白をつくる旅

[新社会人向け]こんな言葉を話すおっさんには近づくな!

いよいよ春ですね。新社会人になる皆さまも、すでに働かれている方々にとっても、ちょっとした変化が生まれるタイミングなのではないでしょうか。そういった際に、上司や同僚にこんな言葉を話す人がいたら注意が必要というリストをご用意しましたので、ご査収ください(←これもヤバイ)。 「俺の若い頃は」「今は変化の時代だ」「新人・若手はホウレンソウが大事」「要点を一言でまとめて」「石の上にも三年」おっさんよ、モダンエルダーを目指せおっさんにとっては、なかなか生きづらい社会になってきましたね。

大型タンカーとタグボートの姿に大企業の未来を見る

世界の物流大動脈・スエズ運河で大型タンカーが座礁したとして話題となりました。3月23日に座礁したエバーグリーン号は、3月28日のスーパームーンによる満潮によって何とか離脱することができました。この1週間程度の停滞によって、損失額は10億ドルを超えるとみられます。 大型タンカー≒大企業というメタファーこのニュースを目にしたとき、行き詰まる大型タンカーが大企業の姿と重なりました。進路変更もままならず、浅瀬に乗り上げて座礁した様子は、収益性の悪化した既存事業からなかなか方向転換で

感受性格差の時代

緊急事態宣言が明けて、桜も満開となっています。さっそく、新宿御苑に行って色鮮やかな桜を楽しみました。緊急事態宣言中は閉園していましたが、現在は予約制での入場制限を実施しており、今日も家族連れや桜の開花を待ちわびた人たちが数多く訪れていました。 移動ができなくなるとクリエイティビティを失う思えばこの1年は、制約条件がかけられた状態での行動を余儀なくされてきました。リモートワークや在宅勤務が一般的になる一方で、外出や長距離移動についても制限されるような風潮がありました。個人的に

五輪騒動に学力の衰退を憂う

森喜朗氏が五輪組織委員会会長を辞任し、その後任人事について混乱が続いています。当初は密室で川淵三郎氏への禅譲が進められようとしましたが、そのプロセスを問題視されて白紙に戻されました。 ジェンダー以前にムラ社会から脱却できてないこの問題を見聞きするにつけ、日本の知性が劣化していると世界に対して表明しているようなものだ、と感じてしまいました。国際大会の顔役である組織委員会会長のポストが、まるでムラ社会の長を決めるようなプロセスで担われていることが明らかになったからです。 それ

なぜ女性の参加する会議は長いのか

東京五輪組織委員会・森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と、女性蔑視とも受け取れる発言をして問題となっています。 男性中心社会の会議が短い理由森氏は言わずと知れた総理経験者であり、政治の世界をずっと生きてこられています。政治家としては頂点に上られたということもあり、様々な役職を歴任されています。今回の東京五輪組織委員会も、最後のご奉公ということで引き受けられたのでしょう。 政治の世界を始め、男性中心の集合体においては忖度や不文律といったハイコンテク

医療従事者に感謝するドラマ

Netflix強化月間の最後を飾るのは、『賢い医師生活』です。すでにシーズン2の公開が決まっている人気ドラマで、コロナ禍での病院の実態について理解できるオススメな内容となっています。 医者も人間であり、食事もすれば恋もする韓国ドラマは食事シーンがとても美味しそうなものが多く、このドラマも多分に漏れずよだれが出そうな様々なメニューが出てきます。5人の仲間たちが集まり、いろいろ食べながら掛け合いのように物語が展開していく様子は軽妙ですが、ときにシリアスかつユーモアなやり取りが発