「40歳は惑う」人生100年時代の折り返し地点
積丹半島で開催された対談に参加しました。題して『積丹で感じる余白力』というテーマで、旅のサブスク「HafH」共同創業者の大瀬良亮さんと、この春から積丹の拠点「岬の湯しゃこたん」運営を始めたSHAKOTANGO代表の五十嵐慎一郎さんのお話を伺いました。
「余白力」とは何か
聞きなれないキーワードが出てきました。主に旅の観点からの「余白力」は大瀬良亮さんがnoteにくわしく書いているので、そちらをご参照ください。
個人的には昨年、この道東で開催された「#つながる余白をつくる旅 」トラベルウィークに参加して、ガイドブックやグルメサイトを片手に計画を立ててタスクを消化するような旅行から、地元の人たちと交流して流れでその土地ならではの暮らしぶりや、生きていく糧の一部を担う体験をする旅に関心が向いてきました。
キャリアシフトにも「余白力」が必要
この余白力というテーマに対して、人生というかキャリアの面から反応したのが五十嵐慎一郎さんです。もともとは東京の建築・不動産関連の会社で働いていた20代を過ごし、ひょんなことからプロジェクトで飲食店やワークスペースの運営を任されるようになり、30代になって拠点を札幌に移し株式会社大人を設立されています。
何か計画性があったか、というよりは流れでそうなったというお話しですが、恐らくは東京時代には昼も夜も問わないハードワークだったことでしょう(電通出身の大瀬良亮さんはそう明言されてました)。そこから札幌に移って徐々にローカルでの働き方が板に付く中で、縁があって今年から積丹半島の先端にある温泉施設の運営を担うことになったと仰ってました。
ローカルでの働き方のポイントはまさに「余白力」であり、人の繋がりが都市部より濃い分、連絡があればすぐに駆け付けたり、飲み会や消防活動などで膝を突き合わせる関係性が重要になります。それら日常的なハプニングを楽しめる余白を持つことこそが次の機会に繋がるわけで、その面白さは「岬の湯しゃこたん」になぜか羊がいたり、絶景を電動バイクで駆け巡るアクティビティがあったりとコンテンツ面に現れています。
40歳という転機を迎えるために余白力をつける
大瀬良さんも五十嵐さんも40歳を目前にして、働き方や家族、暮らし方といった面で変化を迎えているようです。20-30代のように体力に任せてハードワークすれば良いわけではなく、仕事の面では状況に応じた判断と責任を問われ、親は年老いて子どもは進学するといった公私にわたる無理ゲーをいかに進んでいくかが目の前に横たわっています。40歳は不惑ではなく、惑いまくる人生の一大転機と言えるでしょう。
個人的にも、40歳前後の5年間でライフシフトした経緯もあり、やらないことを決めて断捨離しつつ、余白力を養う重要性は理解しています。とくに体調面では、疲れやすくなったり太りやすくなったり、日々の習慣から変えていくのが必須となります。そして、そんな日常を俯瞰して見直すためには、もっと旅に出て多様性を自分の価値観にインストールしていく経験を求めていきたいです。