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猫の手を借りたら囚人が救われた話

アメリカの刑務所で、保護猫の人馴れプログラムを囚人たちに実践させたら、囚人たちの方が前向きになって社会復帰し始めたという話。

1980年代からアメリカの刑務所には動物たちがいた

犬や猫の存在が人間の心を癒すとともに、一緒に生活することで責任感も芽生えるという動物介在プログラムは、実はアメリカにおいては1980年代から実施されています。Prison Pet Partnershipでは、受刑者が犬を躾けて家庭犬や介助犬として送り出すプログラムが30年以上も続けられています。

2006年からは、保護猫を人馴れさせて新しい飼い主の元に送り出す一時預かりボランティアの役割を受刑者に経験してもらうことで、自らが社会復帰するプロセスを一緒に歩んでいくプログラムも始まっています。未だに猫の殺処分数は犬の4倍もあるので、保護猫プログラムの方が需要は高いかもしれません。

日本で始まっているGMaCプログラム

日本では千葉県の八街少年院においてGMaCプログラムという、少年受刑者と保護犬をパートナーとしてともに社会復帰を目指す取組みが進められています。少年受刑者はパートナーとなる保護犬を訓練して、家庭犬として人間との信頼関係が結べるまでをともに生活することで、自らの自己肯定感も育むプログラムとなっています。

受刑者に限らず、自己肯定感の低さによる精神疾患は日本人でも一定数存在すると考えられます。『捨て猫に拾われた男』という本にもある通り、不登校やうつ、緩和ケアといった状況において身近に温かいモフモフな存在を置くことは、犬猫だけではなく人間をも救うことに繋がるでしょう。

動物介在プログラムでのSocial Impact Bond

このような動物介在プログラムに対して、Social Impact Bond(SIB)という新たな金融商品の活用も期待できます。金融機関など民間資金提供者は金利を成果連動型で設定し、このプログラムを実施する民間事業者に投資することで、行政は事業委託とともに民間資金活用ができるものです。

例えば刑務所における動物介在プログラムでのSIBでは、受刑者の再犯率低下による刑務所運営コストの削減や保護犬猫の譲渡といった社会的インパクトを成果として設定することで、これまで税金で賄われてきた公共事業が民間事業者と民間資金提供者によって運営できるようになります。金融機関にとっても、治安向上や犬猫の殺処分数減少といった金利だけではないメリットを投資家にアピールできます。

日本では「猫の手も借りたい」ということわざがある通り、身近にいながらもなかなか仕事をしてくれる存在ではありません。でも、その存在自体が価値があると見做してサービスやシステムを構築することは、まだまだ大きなポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。

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にゃんだ?
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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。