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その正義は誰のために

2020年、あけましておめでとうございます。後厄も明けて出会いと別れもあり、2018年からターンアラウンドした厄≒役割も大きく変化したと実感しています。大学教員としての任期も終了するため、新たなスタートを切る年となりそうです。

世田谷区太子堂に「猫と暮らす賃貸」をオープン

2018年に宣言した通り、実家の不動産の相続対策としてキッチリと地域に向き合うモデルを創りました。入居時には保護猫の譲渡と飼育を条件とし、それとともに日中や旅行時には猫を預かれるような、単身世帯でも飼育できるシステムとなっています。夜にはスナック「猫の額」がオープンし、ひたすら猫好きのための猫によって繋がるコミュニティを目指しています。

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2019年は全国的に災害や台風被害が相次ぎ、都内でも9月の台風19号の影響が大きかったのは記憶に新しいところです。都市部において賃貸物件に住んでいると、隣に住んでいる人も知らないといった状況でいざという時に孤立してしまうリスクは顕在化しています。個人的にも大好きな動物たちをキーにして、住民のレジリエンスを高める仕掛けを様々な人々の支援によって進めていきたいと考えています。

「気候正義」と動物愛護

また2019年には気候変動が世界的にも注目を集め、グレタ・トゥーンベリさんを始めとした活動家の存在感が高まりました。「気候正義」と呼ばれるこれらの運動に対して、賛否両論巻き起こしている状況ですが、この流れは強まっていくことでしょう。

正義を声高に叫べば叫ぶほど、反発も強くなるのは世の常です。いい年齢の大人であれば、本音と建前を使い分けて自らの思惑を実現させていくようなしたたかさを持つべきでしょう。これは動物愛護の分野でも同様であり、正しさを主張する前に既存の仕組みにどうやってインストールしていくべきか、知恵を絞るのが自分自身の役割であると認識しています。

経済活動に正義をインストールする時代

現代は悪いことをすれば、瞬く間にネットを通じて広まって私刑のような状況に陥ってしまう時代です。逆に言えば、良いことをすればそれが宣伝材料となり、勝手にバズっていくのではないでしょうか。これまでソーシャルビジネスや企業のCSRと呼ばれていた、ある意味儲かりそうのない雰囲気のあった領域が経済活動のド真ん中に躍り出たと認識しています。

不動産についても同様であり、これまでは駅チカだ、敷金礼金なしだといったスペックや条件面で比較検討するような経済活動が基準となっていましたが、大家の視点から見れば人口減少時代に突入して条件面での過当競争が待っているだけだと認識しています。それよりも不動産が持っているコンセプトや社会性、地域との結びつきをキチンと表現する、オンリーワンの価値観を大家が示すべきだと考えています。

2020年、新たな挑戦は幸せな保護猫たちをどれくらい増やしていけるかです。そして、その周辺に笑顔の人間たちが輪のように広がっていくことで、寛容かつ強靭な地域社会づくりの具現化に少しでも近づいていきたいと思います。

日本一生産性の上がらない保護猫が邪魔するワークスペース「SANCHACO/neco-makers」を世田谷区三軒茶屋で運営しております。ご興味のある方は是非! https://sanchaco.com