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起業家たちの夏

田原総一朗さんの記事を読みました。

今の起業家は松下さんや盛田さんに似ている

彼らが大事にしているのは、金儲けよりもソーシャルインパクトだ。本当はボランティアでやりたいが、それでは長続きしないからと、ソーシャルビジネスという形態で行っている。


たしかに、近年はソーシャルインパクトを目指す起業家が増えているように感じます。職業に貴賤なしとはいえ、ソーシャルゲームでモラルハザードを誘って利益を極大化するよりは、社会課題を解決しながら全体最適を目指す方が、長期的に見ても人生の満足度は高いと思います。

ROIをお金ではなく、ソーシャルインパクトで測る

とはいえ利益を上げて資産余剰を獲得し、新しい投資を行なうというのも企業の新陳代謝を促す意味では必要です。問題は投資の意味が社会を良くしようという方向性ではなく、利回り何%かという考えが主流になっていることです。海外債券やNISAといった金融商品が出てきても、それらは利回り何%ということばかり宣伝して、肝心の投資先がどのようなインパクトをもたらしているかについては明示していません。

そして日本の国家財政においても、歳入の約50%が国債によって賄われています。それらの引受け手は金融機関であり、原資は国民の預貯金なわけですから、間接的な社会への投資と言えます。ただし、それらのインパクトについては民間の金融商品よりもさらに分かりにくい仕組みになっていますね。

近年では、SROIというソーシャルインパクトを指標化した取組みが出てきています。有名なところでは、刑務所の再犯率を下げることで運営にかかるコストを削減する取組みについて、再犯率の低下というソーシャルインパクトに合わせて利回りが決まるといった金融商品が海外では創出されています。

成長エンジンとしての産業とソーシャルビジネス

「日本の成長は終わった」と言う人も多いけど、それは違う。古い産業が成長しないだけだ。ネットなどの新しい世界では、今も世界がどんどん広がっていると取材を通して実感した。

これには同意で、いまの日本の投資の仕組みは、国家と大手金融機関、そして大多数の資産を保有している高齢層がガッツリと組み合っている仕組みのために、あまりにもリスクを取れる状況になっていません。日本の雇用の80%以上は中小企業なのに、大手金融機関の融資先の80%は大手企業となっている中で、古い産業となっている中小企業の新陳代謝が進まないことが問題です。

そしてソーシャルビジネスの担い手であるNPOなども、いまのところほとんど投資対象とはなっていません。しかし医療介護費や教育費、あるいは生活安全や防災に関わるコストが削減できれば、上記SROIのような投資スキームも成り立つことでしょう。

要するに、お金の流れを変えることで成長産業は創り出せますし、暮らしを改善していくところにも投資できる動きは着実に出てきています。起業ブームと一過性に終わらせることなく、より良い社会をつくるためのお金の使い方が普及していけば良いですね。


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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。

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