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山を使い倒す、新しい林業の形

キャンプブームが始まって久しく、中には山を購入して自分専用のキャンプ場にする動きも見られるようになりました。森林レンタルやサブスクリプションによるキャンプ利用といった多様な事業モデルも登場しており、この森林のソフト利用としての価値向上が図られています。

山は誰のものか

一方で気になるのは、一時的なブームによって山にやってきた都市住民が、ゴミや騒音によって地域に迷惑をかけるかもしれない短期的な問題と、不在地主から山林を購入した人が果たして間伐や獣害対策等の土地管理を行ないつつ長期的な森づくりにコミットできるのか、という疑問です。

もちろん、すでに放置されている山林は数多くの地域で問題になっていますし、一時的にでも山に関心を持つ層が増えるのは歓迎すべき状況です。ただ、レンタルやサブスクといった形で地元の団体や森林組合のような中長期的に地域に根差している主体が管理できるのであれば、必ずしも所有する必要はないでしょう。

木だけでなく、地面や空間も使うソフト価値

林業といえば、これまでは木を伐採して搬出し、製材して使うといったハード用途が一般的でした。しかし、このキャンプのように空間としての森を活用する発想は、いろいろ応用が効きそうです。たとえばサバゲ―だったりサウナだったり、森林にいるという雰囲気自体が付加価値になるソフト利用もあります。

さらに、地面(林地)利用にも可能性があります。実は木材生産額と、キノコ等の特用林産物の生産額は拮抗しており、山菜や薪炭といった分まで含めると地面での生産性を上げていくという考え方は林業経営において合理的だと思います。

地面と空間の価値を最大化させると山主が喜ぶ

このソフト価値の向上については、イノベーションの可能性があります。たとえばサバゲ―であれば、BB弾を生物分解性プラスチックにする環境保全の考え方をさらに進歩させて、山菜の種やどんぐりを撃ち合って価値向上を図るレジャーにする企画も良いでしょう。

山椒の実はそのまま弾として使えるのではないか

最近流行りのサウナにしても、蒸気ボイラーを共用して多肉植物や食虫植物等のニッチな園芸作物を育てるといった応用も考えられます。いずれにしても、国土の7割を占める森林の高度利用が進めば、日本のとくに過疎地域から活性化する施策に結び付くことでしょう。

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