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汝の隣人を愛する教育

APU(立命館アジア太平洋大学)を視察しました。教育関係者の間では、グローバル教育の面で高い評価を受けている大学です。文科省関係者でも、グローバル教育ならばICU(国際基督教大学)AIU(国際教養大学)かAPUかと言われています。

APUとはどんな大学か

外国人留学生比率=50%

約6,000人の学生のうち半数が外国人留学生であり、教員も半数が外国人となっています。授業は英語と日本語の両方で行なわれており、キャンパス内でも英語と日本語が混ざったような会話が飛び交っています。

地方私立大学では、日本語学習を中心とした外国人留学生が半数を占める学校も珍しくないのですが、APUの場合は88カ国からきちんと選考を経て優秀な学生を集めています。

6,000/120,000

別府市の人口が約12万人、そのうち6,000人がAPUの学生であり、市内には別府大学もありその2,000人を足すと、8,000人≒人口の約7%の若者たちが存在することになります。古い温泉地であり、過去には観光で栄えた別府は多くの地域課題を抱えているため、学生発の地域おこしプロジェクトも数多く行われているようです。

グローバル教育からダイバーシティ教育へ

海外留学生が3,000人も在籍していると、そこには様々な文化が混じり合ってきます。特徴的なのが学生寮APハウスで、日本人学生と外国人留学生が相部屋となって共同生活を送る仕組みになっています。当然、日々の暮らしの中でも数多くのカルチャーギャップが生まれるでしょうが、若いうちから異文化に触れることで多様性に対する理解が進むことでしょう。

外国人留学生のうち約500人はイスラム圏から来ており、食文化についてもハラルのものを食べたり、数時間おきに礼拝するといった習慣を持っています。ムスリムフレンドリーは全国の観光地においても課題となっており、それらを学生のうちから体感的に経験できることは日本人学生にとっても有意義な機会となります。

とくに企業にとってダイバーシティ対応は至上命題となっており、異文化理解やコミュニケーション力のような偏差値には表れない能力が評価される仕事は多いでしょう。

悲喜こもごもな学生生活

もちろん良い部分ばかりではなく、悪い部分も指摘されています。noteにも現役のAPU学生が情報発信しており、内部ならではの様々な意見が見られます。こういった意見を表明すること自体が、現在の大学生にとっては「意識高い系」と揶揄されたり難しかったりするのですが。正解主義な偏差値教育へのアンチテーゼとして、このAPUの教育方針に学ぶべきポイントはたくさんあると感じました。


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