猫を助ける賃貸住宅SANCHACO完成!
ついにこの日がやってきました。構想から3年、保護猫の譲渡を前提とした賃貸住宅「SANCHACO」が完成しました!濃紺の建物は台湾の九份をイメージしており、1F部分の灯りには丸い提灯を使っています。2-3Fの賃貸部分には、木目を活かした庇に丸い穴を空けて、住人が帰宅すると丸く灯るようにしています。
三軒茶屋の昔ながらの路地を再現
住戸脇の路地空間は、三軒茶屋の古い写真などを参考に猫が居そうな空間を再現しました。植栽デザインの専門家に入ってもらい、日本の在来植物や紅葉するような樹木など、入ってみたくなるような緑の空間になっています。この路地の奥には、保護猫たちが駐在するコモンスペースが窓から覗けるようになっており、石畳には猫の足跡を付けていく予定です。
インナーとアウター・2つのコモン
1F部分には、アウターコモンと呼ばれるカフェ・スナックに利用できる、道行く人がフラリと立ち寄れるようなカウンタースペース「NECO NO HITAI」をつくりました。ここには猫はいませんが、奥のガラス越しに猫が覗くような仕掛けになっています。
1Fカウンタースペース「NECO NO HITAI」
1Fの奥側はインナーコモンと呼ばれる、居住者や会員限定のクリエイターベース「neco-makers」となっています。こちらには保護猫たちが常駐し、また高性能ミシンやレーザーカッターなどを設置して、マイクロものづくりを支援する拠点として猫たちの存在をクリエイティブに活かしていく計画です。
1Fクリエイターベース「neco-makers」
住居部分は猫が住みやすいメゾネットタイプ
2-3Fはメゾネットタイプの4戸が賃貸住宅として入居者を募集しております。白を基調とした空間には、2面に窓を配置し空気が循環する設計となっています。1FでDIYなどの作業ができることを想定して、内装は最低限にしており、猫のためのキャットウォークやキャットタワーは敢えて置いていません。
2F部分(ダイニングキッチン)
3F部分(リビング)
三軒茶屋に地域活性化は必要か?
地域活性化の専門家として、この10年ほど全国で様々なプロジェクトを手掛けてきましたが、自分自身の地元=東京は手付かずでした。むしろ地方からは東京は敵対視されるような存在であり、「都会か田舎か」という二項対立構造で語られることが多かったように思います。
実際に取材などを受けても、三軒茶屋は十分賑わっているし地域活性化は必要ないのでは?といった質問も受けることがあります。もちろん、経済的な面で言えば三軒茶屋という街は多くの商店や若者たちが個性的な取組みを行なっています。しかし、とくに世田谷線沿いの太子堂エリアにおいては、車が通れないような木密地域に古い戸建て住宅がひしめいており、世田谷区内でも突出して高齢化率と空き家率の高い場所となっています。
地域活性化に関しては、それなりのノウハウがあると自負していますが、重要なのはそれらを押し付けることではなくて地域住民がなんとなく集まってくるような仕組みを構築することだと考えています。そして、そのための強力なコンテンツとして、猫の存在が活きていくことを確信しています。
7/4・5にオープンハウスを開催いたします。詳しくはこちら。