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スマホとSNSがある東京ラブストーリー

25年後の『東京ラブストーリー』が週刊誌に掲載され、話題となった。連載化も検討されているようで、実際に25年前のドラマや漫画を楽しんでいた層にはどのように響くのだろうか。また、携帯電話やSNSがなかった時代ならではのすれ違いや勘違いが物語のキモとも言えるわけで、それが現代社会においてどのようにアレンジされるのだろうか。ちょっとした思考実験。

連絡手段が固定電話の時代の出会い方

ドラマ『東京ラブストーリー』においては、カンチとリカは同じ会社の同僚ということで、田舎から上京してきたカンチを空港にリカが迎えに行くところから物語はスタートする。そこで三上にナンパされたリカがさとみとの同窓会に登場して、コースターの裏に電話番号を書いてカンチに渡すといった流れである。これが現代社会においてはどうなるのだろうか?

リカは同僚のカンチにFB友達申請を送る。カンチが承認すると、リカからスタンプが送られてきた。リカは友達の友達の三上やさとみにも繋がり、なぜかカンチよりもやり取りするようになった。三上やさとみとの同窓会に誘われていくと、なぜか一緒にリカがいる。そしてスマホを一緒にシェイクして、LINEのIDを交換するのだった。

会社の同僚の噂になり、「セックスしよう」と告げる

カンチとリカが勤務時間中に仲良さそうだったり、夜に飲みに行ったりするようになると、会社の同僚がいろいろ噂をするようになる。それに怒ったリカは激しく落ち込み、カンチはそれを慰める。その際に有名なセリフをリカが叫ぶ。それから気まずくなったり疎遠になったりした2人であるが、出張から帰ってきたリカはカンチの机の下にクーラーボックスを置いておく。その中にはリカのつくった雪だるまが入っていた。これが現代社会においてはどうなるのだろうか?

営業職であるカンチはフリーアドレス制であり、また私物は帰宅時にはすべてロッカーに入れるため、客先への営業外出や出張が重なってなかなかオフィスで顔を合わせる機会がない。ある日リカは出張中、FBに雪まみれになっている画像を上げる。FBのコメント欄でのやり取りがいいね!ばっかりするおじさん上司に見咎められ、昨今の情報流出を理由に勤務時間中はSNSを禁止する通達が出される。カンチがオフィスの1階にあるスタバにコーヒーを買いに来たら、久々にリカとばったり顔を合わせた。カンチのカップホルダーにリカは「セックスしよう」と書いて、カンチを慌てさせる。

会いたいのに相手は話し中で疑心暗鬼

アメリカ転勤が決まったリカであるが、なかなかカンチには話を切り出せない。同僚からリカの転勤を知ったカンチは、「どうして話してくれなかった」とリカをなじる。気まずくなって別れた2人、思い直してリカがカンチへ電話をかける。だがカンチはさとみと長電話中で、いつまで経ってもリカの想いは繋がらなかった。これが現代社会においてはどうなるのだろうか?

アメリカ転勤の内示を受けて、リカはFBで意味深なことをつぶやく。カンチはFBを最近あまりチェックしていないために、リカの状況を知るのが遅れる。リカはカンチにLINEを送るが既読スルーされ、その後にFBで友達からタグ付けされて飲み会で楽しそうにハジけるカンチの姿を目撃する。

行方不明になったリカと故郷の小学校で再開する

ロス行きを断ったリカは会社にも出社せず、電話にも出ない。心配したカンチはその行方を自分の故郷である愛媛に連れていくという約束にあると考える。愛媛に行き、思い出の地を巡っていくうちに、カンチは小学校の柱に落書きした自らの名前の横に「赤名リカ」と書かれているのを見つける。やはりリカは来ていたのだと、故郷を走り回るカンチだが見つからない。しょんぼりして小学校の校庭を歩いていると、後ろから「カンチ」と呼ぶ声が聞こえた。これが現代社会においてはどうなるのだろうか?

リカのロス行きがなくなったことを会社で知ったカンチは、すぐさまLINEでリカにメッセージを送る。いつになっても既読にならないのを見て、スマホで電話をかけてみるが、「電源が切れているか電波の届かないところにいます」と繋がらない。以前話した地元の愛媛にいるのではないかと考え、成田空港からLCCに乗って愛媛に向かうも、天候不良のために関西空港に降りることになる。空港に着いてスマホの電源を入れた瞬間に、リカからLINEのメッセージが飛び込んできた。「落書きなう」と書かれた画像は、カンチが昔小学校に書いたものだった。

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