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ゲーム理論で見る北朝鮮核実験

たとえばジャンケンをする場合、「自分はグーを出すよ」と宣言する人がいる。宣言通りグーを出せば約束を果たす誠実な人だという評価になるし、宣言と違ってチョキを出せばブラフをかます姑息な人だという評価となる。いずれにしても、自分自身の評価というジャンケン以外の要素を賭けている人は、長期的には損をするとゲーム理論では言われており、結局は無邪気に1/3の確率でジャンケンをする人が得をすることになる。

「グーを出す」とは言わなかった北朝鮮

今回の核実験の場合、北朝鮮は「グーを出すよ」とは宣言せずに実験後に実は「グーでした」的な水爆実験成功を喧伝している。これまでの核実験は、日本・米国・中国・韓国といった周辺各国との経済制裁や安全保障上の交渉において、優位なポジションを取るために積極的に事前に宣言していたことを考えると、今回の核実験のメッセージを送った主要な相手は別にいる。

その相手とは誰か。イランなのではないか。この直前にイランは、サウジアラビアとの国交断絶を宣言し、中東では緊迫感が増している。もともと北朝鮮はイランに対して核技術を輸出することで外貨を獲得しようと目論んでおり、それを米国の監視衛星などが見張っていた構図だった。

これまでの原爆のサイズだと輸送する過程で米国にバレるので、水爆サイズの高性能爆弾の開発に成功したと喧伝することによって、イランに対して優位に交渉に臨めることになる。つまり、今回の北朝鮮を巡る情勢の緊迫化は中東情勢と連動しているのではないか。

「キューバ危機」に見るゲーム理論の飛び火

実は1960年代のキューバ危機においても、東西冷戦構造における中東のイニシアティブを巡っての駆け引きが行なわれていた。そもそもソ連がキューバに核ミサイル設置に動いたのは、米国がトルコに核ミサイルを設置したからであり、フルシチョフがケネディに対してトルコのミサイル撤去を求めて、密約により数年後にトルコの核ミサイルは撤去された。

グローバル時代においては、ある国(地域)における大国間の思惑がまた別の国(地域)に連動することは重要な要素として考えられる。そして日本も、中東情勢には間接的に関わっているだけの状況であったのが、北朝鮮という隣国に飛び火したことによって慎重に対処せざるを得ない立場になったと理解できる。

一方で日本が採るべき方針としては奇をてらう必要はなく、ゲーム理論に則ってブラフや自国の評価を賭けてレートを上げている北朝鮮が自壊していくのを待てばよいという戦略になるだろう。日本国民としては、政権が軍事予算を増額したり、安全保障関連法案の拡大解釈をしないように監視していくことが重要だろう。

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にゃいす!
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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。
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