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韓国版・半沢直樹『梨泰院クラス』

この年末年始はNetflixの動画を観まくっていました。中でもオリジナルコンテンツとしての韓流ドラマにハマり、『スタートアップ:夢の扉』『愛の不時着』『梨泰院クラス』『バガボンド』と一気に観てしまいました。

多様性を前提としたチームをつくる

『梨泰院クラス』は、国籍や性別、犯罪歴といった様々な要素を乗り越えた仲間たちが、外食業界でのトップを目指して突き進んでいく青春群像劇です。父親の仇である巨大企業のトップに復讐を果たす姿は、“韓国版・半沢直樹”と呼ばれて人気を博しました。

ヒロインのキム・ダミ演じるチョ・イソは、IQ162の天才でソシオパス(反社会性精神障害)という設定です。合理的で実利を重視する性格は、しばしば主人公のパク・セロイを困惑させ、もう1人のヒロインであるオ・スアと衝突します。それでも持ち前の有能さで梨泰院に開いた店「タンバム」を発展させていきます。

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チョ・イソに共感してしまうメンタリティ

実は、このチョ・イソの物言いや行動にはかなり共感してしまう自分がいました。ドラマでは、情緒や人間関係といったウェットな部分よりも、経営判断や合理性のドライな部分が目立ち、時には周囲と対立するような状況もありましたが、最終的にはパク・セロイの信念を実現する大きな原動力となりました。私自身も、他人との付き合いよりも犬猫と過ごす時間やインプットする方を重視しているタイプで、あまり社会的とは言えないメンタリティがあります。

同様に感染症の影響に苦しむ現在では、大多数の人々はウェットなところを重視しがちですが、個人的にはドライに判断しています。すでに昨夏の段階でこの年末年始がロックダウンに近い状況となることは予見してましたし、飲食店や観光業など大きな影響を受けている業界がこれまでと同様の事業モデルで継続できるとは考えていません。対応できない店が潰れれば、その分新規創業の機会が増えるくらいに冷静に受け止めています。

ドラスティックに変化せざるを得ない世の中において、既存の延長線やノスタルジーで上手くいくことはないでしょう。すでに年末のかき入れ時に息の根を止められた飲食店は倒産・廃業を余儀なくされ、ある程度の在宅勤務を前提としたワークスタイルを多くの企業が取り入れつつあります。立地が重要だった不動産の価値も変わっていくことでしょう。

ベーシックな構成に多様性を埋め込む韓国ドラマ

『梨泰院クラス』では善と悪がはっきりとした勧善懲悪や主人公を巡る三角関係など、シナリオとしては分かりやすい要素で1話ごとにカタルシスを得られる構成となっています。主人公パク・セロイは不器用ながらも1歩ずつ復讐を果たすために前進し、様々に張り巡らされた伏線が困難を打破するエピソードへと結び付いていきます。

むしろベーシックな物語がしっかりとしているからこそ、LGBTQや人種差別といった問題を盛り込んでも重苦しい雰囲気とはならず、課題を解決するというよりは超克していって登場人物たちが成長していくようにまとめることが可能となっています。『愛の不時着』でも深刻になりがちな南北問題をコミカルに表現していたり、こういったコンテンツの作り方は参考になります。

日本でも『半沢直樹』で組織内の同質性やマウンティングがある程度ネタ化されていたり、『逃げるは恥だが役に立つ』で選択的夫婦別姓制度や男性の育休取得といった社会認知を広げるようなエピソードが盛り込まれていました。実社会の写し鏡としてのドラマであるならば、楽しみつつも学びがある内容を期待していきたいですね。しばらくテーマソングはコレでいきます。


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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。