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イケダハヤトが田舎暮らしを語る違和感

イケダハヤトさんにはお会いしたことがないのだけど、note界隈ではいろいろ見聞きする機会が増えている。基本的には、田舎暮らしだったりnoteを使うことを強烈にプッシュしてくれているので応援したい立場だけど、その表現方法や物言いについてはやはり素直に捉えるのに躊躇することがある。この菊池さんのエントリーを読んで、なるほどなぁと感じる部分があったとともに、割とイケダさんに感じていた違和感を的確に表現していただいたと思う。

見ず知らずの人間を嫌いだと罵倒する悪意

インターネットが登場する以前には、私たちは見ず知らずの人に対して好き嫌いを表明する手段を持たなかったし、そもそも他人の考えを知る術はほとんどなかった。身近でFace to Faceのコミュニケーションができる相手とのみ、意見交換して価値観の相違だったり時には喧嘩したりといった形で、相互評価をしていったものだ。

それがBlogに代表される個人メディアの登場によって、自分の価値観や考えに相容れない相手には直接的に罵声や批難といった悪意を向けることが可能となった。本来であれば存在し得なかったはずの悪意は、向けられた相手を傷つけるとともに、それを発信する人間も確実に蝕んでいくのだと思う。見ず知らずの人間が自らに対する好き嫌いを評価する行為というのは、多かれ少なかれ気にしてしまうのが人間の性なのだろう。

田舎暮らしの先輩として

田舎暮らしを志向されている方なら見知ったことがある話として、「半農半X」という塩見直紀さんが提唱されたコンセプトがある。そして半農=ライスワーク、半X=ライフワークとして定義すると、もはや農的暮らしを志向するみたいなところに留まらない。ライスワークとはつまり、社会基盤を維持するために必要な仕事であり、掃除したり料理したり教えたり治療したりゴミを捨てたり、生活を営むために必要な作業を高度に集積していくとそれがサービスとなったりする。

だから、農業や林業、漁業が尊いというレベルと同義で、清掃業や飲食業、教育や医療機関や廃棄物処理なんかの仕事ももちろん尊い。でもそれらは昔は、地域コミュニティの機能として大人たちが担っていた部分があって、それを効率的に都市で処理していくために分業制が生まれたという歴史がある。

イケダハヤトに感じる違和感の正体とは

つまり、ライスワークは本来的にコモディティ化された仕事であり、生活に密着しているからこそ誰でも参入しやすいし、突き詰めていくと奥が深くもある。だから、大人になるための通過儀礼として、このようなコモディティ化された仕事に就くというのは、別に農業であってもサラリーマンであってもあまり差がないのかなと思う。

イケダさんに対して感じる違和感とは、実はサラリーマンを馬鹿にした物言いを続けていることで、田舎暮らしにおける地域コミュニティ維持の仕事をも否定しているところにある。つまり、自分自身はライスワークとしてBlogやネットを活用したビジネスで食っていくと宣言していながら、自らの日常生活を恙なく送るために必要な地域コミュニティに対してフリーライドしている印象が否めないのだ。

田舎はフロンティアだと煽る足元に必要な要素

イケダさんは農業や林業、あるいはDIYなんかに挑戦するようなことを書かれているようだ。私自身も、地域で活動しているときには何でも自給できる!何でも創造できる!といったテンション高めな情報発信をしていたように思う。でもそれらをキチンと回すためには、やはりある程度お金が必要だし、組織立って動くのが重要になる。そして、それらは地域コミュニティとは切り離せない。

実際に農業をやってみれば、水をたくさん必要とするナスやキュウリと、水をやらない方が良いトマトは分離して育てた方が良いだとか、林業をやってみればほとんど枝打ちをしていない密集したスギ林での間伐がいかに難しく時間がかかるか、肌感覚が身に着くだろう。そしてそれらを上手く回すためには、やっぱり行政にキチンと届け出をしたり、地主さんにしっかりと書面で契約を交わすといったプロセスを抜きにして物事は語れない。

フロンティアを突き詰めようと思えば思うほど、サラリーマン的に整備されたプロセスの重要性が理解できると思う。少なくとも悪意を相手に向けて、その悪意を返されるような状況に消耗している限りは、あまり田舎暮らしの醍醐味を楽しむ方向には進めないのではないかと感じている。

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にゃん
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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。

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日本や世界をフラフラと旅して、日本から世界へと発信するローカルイノベーションを研究しています。

コメント (1)
なるほどー。
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