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日清カップヌードルCMの中止も、保育園ができないのも、民主主義の問題だ!?

2016年に入って、様々な不倫騒動が世間を騒がせています。ベッキー、宮崎元衆院議員、乙武さんと、爽やかさや清廉さを売りにしていた立場の人たちの不貞行為は反響が大きく、大きなニュースとして扱われました。そして3年前に不倫していた矢口真里さんが起用された日清食品カップヌードルのCMも、不謹慎だと放送中止へと追い込まれました。

また「保育園落ちた、日本死ね!」という匿名ブログから波及した待機児童の問題は国会で討論されるまでになり、一億総活躍や地方創生の人口問題と相まって保育園を増やそうという声が高まっています。一方で、地域住民の反対などで相次いで保育園の開園計画が頓挫するといったニュースが各地でも聞こえてきます。

日清「バカやろう」CMの謝罪騒動が示す皮肉

不倫は男性と女性で許容度がまったく異なる不祥事であるといわれます。不倫は個人の色恋沙汰の問題であって、犯罪ではないという議論も男性側を中心にみられがちですが、家庭を守る側に立っている女性、いわゆる「主婦」にとっては、「不倫」というのは家庭を崩壊させるリスクがある極めて許しがたい行為として受け止められます。

クレームを入れるのはどんな人たちか

この2つの事柄に共通するのは、高齢者を中心とした民主主義いわゆるシルバーデモクラシーの声の大きさが、行政や大企業の活動を制約しているということです。私たちがネット上などで議論する内容と、高齢者をはじめ旧来型マスメディアを中心とした論調は、かなり異なっていることをこれらの事柄で実感します。

つまり、日常的にお茶の間でTVを観ているであろう視聴者層は高齢者が中心であり、また保育園予定地周辺に住んでいるのも古い戸建て住宅が多いことから団塊世代を中心とした高齢層が多いと推測されます。そしてある意味受動的であり、見たくないものを見ないとか迷惑に思ったら自分が転居するといった選択肢を取れない立場にあるために、企業や行政にクレームを入れるしか行動する手段がない人たちです。

社会的強者たる若年層を守るべきか否か

逆説的に、若年層は見たくない番組は見ないでネットで自分の好みの動画を検索できますし、自分が好きな街や地域に気軽に転居できる立場ですから、こういったクレームによって自分の意を押し通そうという感情には違和感があるでしょう。しかしそれはある意味、情報強者であり社会的強者であるからこそ、取ることができるスタンスだとも言えるのです。

行政は持つ者・強者から税金を徴収して持たざる者・弱者に再分配する機能がメインですから、当然弱者に寄り添った政策を採ることになります。そして大企業、とくにカップラーメンのような大衆消費財も対象顧客は持たざる層と重なるマジョリティですから、弱者の声には敏感にならざるを得ません。弱者はクレームを入れる厄介な存在ではありますが、ある意味考え方が分かりやすい、対応しやすい相手であるとも言えますね。

企業も行政も、若者たちの声を聞けずに困っている

他方で多くの企業や行政の担当者から聞かれるのは、若者たちの考えが分からない、どうやってアプローチしたら良いか知らないということです。商品開発でも数ヵ月単位で志向が変化して、流行り廃りが波のような需要を創出します。ヒット商品が1年も経てば在庫の山といった大企業でも一気に業績悪化してしまうマーケット環境にあります。

まちづくりという政策においても、若者たちは昼間は働きに出ていてアンケートを実施しても回答が集められないという、住んでいるのに実態が把握できない存在です。そして少しでも気に入らなければすぐに街から離れてしまう、厄介な存在でもあります。

ネット時代の民主主義とは何か?

いま世界中で、15世紀の紙の印刷技術と19世紀の立憲制によってつくられた古い民主主義をアップグレードしようという動きが盛んになってきています。モバイルインターネットや、直接民主制による投票システムなど、様々な社会実験を試行錯誤できる時代に来ているのです。

今週末金曜日夜に、そんなネット時代の民主主義について語るイベントを開催します。ご興味のある方は是非!

[4/15(金)19:00~第2回革命のレシピ]「ネット時代の民主主義って何?」

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