虹の橋で待っていて
愛猫チャイが天国へと旅立ちました。御年19歳、20世紀生まれの大往生でした。1週間ほど前から猫風邪に罹り、食欲もなくなって急速に弱っていきました。最期は苦しまずに、眠るように息を引き取りました。
自分を全肯定してくれる存在
動物を救う仕事がしたいと獣医を志して挫折したり、環境のことに興味があると言って就職が上手くいかなかったり、若い頃の自分は中途半端にフラフラしているだけで何者にもなれずにいました。それでも家に帰れば、すぐに駆け寄ってきて全身で甘えてくれる存在がいたからこそ、自分の幸せはここにあるのだと実感することができました。
チャイは溺愛と言ってよいほど、可愛がってきました。19年間一度も怒ったり叩いたりすることもなく、ひたすら甘やかしました。そうすると非常に穏やかでおおらかな性格になって、一度も引っかいたり噛んだりするようなこともありませんでした。後から家族になった若い猫たちもみんなチャイに懐き、いつもくっついて一緒に寝ていました。悲しくはあるけれども、育て方、愛し方には一切の後悔のない、完璧に幸せな猫でした。
すべての動物たちに幸せになってもらうために
時が巡って、ようやく動物を救う仕事や環境にまつわるプロジェクトができる立場になりました。動物たちに愛情を注げばそれだけ幸せを返してくれる、そんな自分自身のアイデンティティを形成してきたチャイとの暮らしがあるからこそ、人間の幸せのモデルに対する確信を持って事業を進めていけます。ようやく自分の道を進めるようになったと、見届けることができて安心してくれたのでしょうか。
チャイのような幸せな動物たちをどれだけ増やしていけるか、それは自分のライフワークです。動物たちと心が通い合う社会をつくっていくことで、人間たちも幸せに暮らしていける世の中にしてきましょう。それがチャイとの約束です。19年間、ありがとう。
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