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プロ野球で40代監督ばかりになったこと

今年のセリーグは、開幕前から賑やかでした。下位に低迷するチームはテコ入れのために新監督を招聘、阪神タイガースは金本知憲、横浜DeNAベイスターズはアレックス・ラミレスと、それぞれ人気と実績を兼ね備えた大打者が就任しました。さらに読売ジャイアンツの現役選手による賭博問題と、その余波による原監督の辞任によって高橋由伸が現役を引退、新監督に電撃就任したために、昨年からの留任となったヤクルトスワローズ真中満と広島東洋カープ緒方孝市、そして監督専任となった中日ドラゴンズ谷繁元信を併せ、セリーグの監督は全員40代となりました。

それぞれがつい最近まで現役で、「代打オレ」で出てきてもおかしくないような実績の持ち主です。そして谷繁監督を除く5人は外野手出身と、どちらかといえば華やかな打撃を売りにしてきたスター選手でした。果たしてこの傾向は一過性のものなのか、それとも今後はこのように若くしてスター選手がコーチ経験もそこそこに就任するようになるのでしょうか。

開幕後の戦い方を見て

プロ野球が開幕して40試合ほど経過して、セリーグは開幕前の予想通り団子レースの様相となっています。それでも特徴を見ることができるのが、金本阪神は「超変革」を掲げて若手選手を積極的にスタメン起用していたり、ラミレスDeNAも防御率12球団No.1と昨年とはうって変わっての守る野球を展開していたり、それぞれの個性が表れてきています。

とくにベテラン選手とのコミュニケーションが変わったように感じます。これまでの50-60代の監督はベテラン選手に対してはほとんど自主性に任せる傾向が強かったですが、40代監督だと一緒にプレーしたり対戦していたこともあるわけで、そのときの印象に基づいてアドバイスしたり、時には厳しく接したりといった姿が目立ちます。そしてそんなベテラン選手たちの姿を見て、若手選手も気を引き締めるといった流れができています。

監督に指導経験は必要か

果たして40代監督が成功するのかどうか、いずれにしても結果がすべての世界ですから、「勝てる監督」でなければすぐに退任ということになってしまうでしょう。それとともに、長期的に強いチームをつくるためには若手選手を育成することも重要です。その意味においては野村監督や落合監督など、選手育成に長けた名監督は独自の理論と経験をもとに常勝軍団をつくり上げました。

一方でプロ野球は人気商売ですから、「客を呼べる監督」でなければいけません。星野監督や中畑監督は、選手よりも目立つくらいのパフォーマンスで人気がありました。そういった経緯もあり、今年の監督人事においては現役時代の人気そのままに、客を呼べる監督を揃えたのだと解釈もできます。

それとともに近年は分業化が進み、現場の監督がチームを指揮する一方で戦力補強やデータ解析はフロントが行なうといった役割分担ができています。そしてこのフロントに実績のある監督経験者がGMとして入ることで、若い40代監督を陰でサポートする体制が出来上がっています。ヤクルトと阪神は小川・和田前監督がそれぞれGMにそのまま入っていますし、中日とDeNAは球団経営も兼務する形で高田氏や落合氏が実権を握っています。

企業経営化してきたプロ野球

最近のプロ野球は、大企業の広告宣伝といった名目から脱却して、独立採算でキチンと稼ぎながら戦力強化を図っていく方向性へとシフトしています。親会社の資金に依存するのではなく、球場の改修やファンが喜ぶイベント・企画の展開、地域密着型のファンクラブといった、企業としては当たり前の経営努力をようやくどのチームもするようになりました。

その1つの流れとして、スター選手をそのまま現場の監督にすることによって球場にファンが足を運ぶモチベーションを高めるとともに、単に野球観戦するだけではなくファンのコミュニティ化を図っていくことでボールパークとしての場づくりを進め、その経済循環を創り出すことによって戦力強化を図っていくような球団経営が為されてきています。

ファンにとっては贔屓のチームが強いことはもちろんですが、プロ野球観戦という非日常が楽しく、わざわざ球場まで足を運ぼうと思うような体験が待っていることこそが、他の娯楽を差し置いてもプロ野球を選ぶ理由となります。こういった観点からみると、40代監督たちのパフォーマンスも違って感じるようになることでしょう。

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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。
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