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ビジネスが最優先でなくなった時代に

山口周さんの『ビジネスの未来~エコノミーにヒューマニティを取り戻す』を読みました。なんとなく感じていたことが見事に言語化されているとともに、ポスト資本主義サスティナビリティといった日頃使いがちかつ大きめなワードに対する具体的な処方が腹オチした感じです。

日本という国の売りモノを考える

資本主義とはある意味、時間のやり取りであって労働者は資本に対して時間を売り、また資本も事業や不動産など形にしたいものを早く実現するために金利を支払って調達するものです。その前提にあるのは、時間というものの価値が均質かつ増え続けるものという社会システムにあります。そのため、均質な労働者を供給し続け、人口が増加してGDPが拡大するといった枠組みが堅持されてきました。

しかし、地球環境という制約と人口減少に転じた社会システムの構造的行き詰まりは、もはや前提条件が変わったことを意味しています。つまり、資本主義は物質的な豊かさを目指していては持続しないと。一方で精神的な豊かさにおいては、日本という国のアドバンテージはまだまだあるなと気づかされました。

もちろん、気候変動は四季を曖昧にして雪は降らなくなり、コロナ禍においてコンテンツ産業としての観光や飲食が痛めつけられている状況はかなり厳しいです。個人的にはローカルに軸足を置きつつも、現在価値が希少になってきていると実感しています。

将来価値ばかりではなく、現在価値を充実させよう

良い大学に行って良い企業に就職したい、資格の勉強をしてキャリアアップしたい、定年後にはこうしたい、、未来に対して投資をして努力するのは素晴らしいことだし否定する気はありません。でも現在をもっと楽しみ、生活環境を豊かにして精神的充足を図ることは、ビジネスに劣後することではないと改めて思います。

とかく将来価値に重点を置きすぎて、現在価値を軽視しているのではないか、という部分がヒューマニティを取り戻すための第一歩です。物質的豊かさを供給するために出来上がった資本主義を超克していくのは、一人ひとりの喜怒哀楽なのでしょう。

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にゃいす!
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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。