日本史の空白地帯・卑弥呼と邪馬台国
弥生時代は紀元前10世紀〜紀元3世紀の約1,300年ほどと言われており、稲作を中心とした農耕生活と、それに伴う身分階級制度が確立した年代と言われています。そこに登場したのが卑弥呼であり、魏志倭人伝という中国の歴史書に邪馬台国(邪馬臺国)の記載が見られました。
歴史的に有名も、何も分かっていない
邪馬台国と卑弥呼は、日本史の教科書に必ず登場し、有名ですがその実態はほとんど分かっていません。それもそのはず、魏志倭人伝に残された数千字の記載のみがその存在を伝えているわけで、日本史における最大の謎の1つとなっています。
邪馬台国の場所が九州か近畿かで学説が分かれているのも、この魏志倭人伝における邪馬台国に至る行程についての解釈が元になっています。そしてそもそもの邪馬台国という国名についても、"台"の字が誤字で実はヤマト国つまり大和王権のことを指しているといった説もあります。
古代に存在した女王のエキゾチックな魅力
なぜ邪馬台国と卑弥呼がこれほどまでに注目されるのか、そこには古代の日本社会においてシャーマンのような存在として女王が擁立された特異性にあります。日本書紀の神武東征とどんな関係性があったのか、倭国大乱とはいかなる状況だったのか、謎が謎を呼ぶ歴史ミステリーは多くの歴史学者の議論を呼んでいます。
一方で魏志倭人伝に記載されているように、中国や朝鮮との交流は活発に行なわれており、現存する「漢委奴国王」と記載された金印や三韓征伐のような海外との関連を示す事象がロマンを感じさせます。とくに百済や任那といった朝鮮に樹立された国は、日本と関係性が強かったと言われています。
卑弥呼が活躍する歴史フィクション
『卑弥呼-真説・邪馬台国伝』は、このような古代日本を巡る謎やロマンと、卑弥呼というヒロインを絡めた歴史フィクションです。ほとんど資料がないという条件を逆手に取って、卑弥呼自身の出生や行動がかなりフィクションを交えて創られているのが特徴です。
当時の生活文化や宗教、統治体制に至るまでかなり勉強になることも多く、弥生時代を始めとした古代に理解が深まる内容となっています。Amazon Kindleなど、電子書籍では1〜3巻は無料で読めるようです。よろしければ是非!