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希望分断社会の到来

参院選2019の結果を分析したnoteを見て、なるほどなぁと思いました。

左右ではない、上下のイデオロギー

この参議院議員選挙で注目を集めたれいわ新選組とNHKから国民を守る党、泡沫候補と言われながらあれよという間に政党要件を満たし、国会議員を送り出すまでになりました。どちらも反体制的なスタンスは共通していましたが、それが故に大手メディアや新聞で目にする機会もなく、主張は過激かつ現実味の薄い印象でした。

投票行動データから浮かび上がるのは、10-20代は与党に投票し、高齢層は立憲民主党などの既存野党の支持率が高い一方で、30-40代はオルタナティブ野党とも呼べるれいわやN国党に投票している人が一定数存在することです。そして、学歴や正規/非正規雇用、収入面で下流側に位置する層が積極的にこれらオルタナティブ野党を支持していることが明らかとなっています。

下流層の受け皿がいなかった

これまでの野党は、立憲民主党のようなインテリ層の理想論だったり、共産党のような古臭い反体制派だったり、下流層に刺さるアジェンダを提供できていたとは言えません。消費税増税にしても、旧民主党勢力が三党合意によって凍結という曖昧な表現に終始したのに比べて、消費税撤廃を打ち出したれいわだったり、そんなことはお構いなしにNHKという高給な既得権益をぶっ壊すというワンイシューで過激表現をしていたN国党の方が分かりやすかったということでしょうか。

実際にSNSなどでこれらオルタナティブ野党の支持や情報シェアを積極的に進めていたのは、30-40代の低学歴・非正規・低収入の人に多かった印象です。それぞれ支持率2%程度ですが、あまり選挙などにも関心の薄かった下流層を投票に行かせたという意味で、寝た子を起こしたような状況となっています。低投票率にあぐらをかいていた与党にとっては、既存野党よりもよっぽど怖い存在となりそうです。

ホントに怖いN国党

なかでもN国党には脅威を感じています。チダイズムさんが危惧しているように、反知性的な主張は論理一貫性や後先を考えたものではないため、容易に様々なイデオロギーと結びついて国会議員としての権限を利用するかもしれません。5人程度の国会議員が所属するようになったらキャスティングボードを握るわけですから、とんでもない主張が通ってしまう可能性も無きにしもあらずでしょう。

個人的にはマック赤坂氏が好きで、既存の与党や野党に投票したくないときには好んで投票していました。それは、決して当選することはないだろうが、この人の支持率が一定数に達したら政治は緊張感を持つだろうと考えたからです。実際にマック赤坂氏は港区議会議員選挙に当選して、万年泡沫候補の地位を返上しています。港区のようなエスタブリッシュメント層が多く住む地域では、すでにこのような希望分断社会が到来しているということでしょうか。

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