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自分のためだけに生きるには、人生は長すぎる

「人は何のために生きるのか?」

永遠の課題かもしれません。多くの人は、学校を卒業する段階で自己分析を行ない、自分がどんな仕事に向いているか、そもそも人生において何を達成したいのかといったことを考えるようになります。最近は自己実現や自分探しといった形でモラトリアム期間が長くなっている印象もあり、ずっと定職に就かなかったり転職を繰り返すといったケースも増えていますね。

家族ができると、他者のために生きるようになる

ずっとフラフラと頼りなかった若者は、いつしか結婚して子どもができると優先順位がガラリと変わります。自分に向いている仕事を選ぶとか、人生における目標といった抽象論を横に置いて、まずは家族を守るため、次世代を健やかに育てるために働くようになります。

30-40代に子どもができて、20歳まで育て上げると独立していきます。家族のために一生懸命がんばってきた人も、50代後半〜60代にかけて再び転機を迎えるケースが多いのではないでしょうか。ちょうどその頃には企業においては定年退職が視界に入ってくる年代でもあり、実は新卒の頃と同じような自己実現や自分探しといったテーマが舞い戻ってきます。

高齢化で語られる一般的な年金・福祉問題

日本人の平均寿命が男女ともに80歳を超え、とくに女性はもうすぐ平均寿命90歳になろうとしています。1950年代からの平均寿命の伸びは、衛生環境の改善による幼児死亡率の低下が主な要因ですが、2000年代に入ってからの伸びについては主に医療福祉制度の充実が挙げられます。

それとともに、主に1960-70代に整備された健康保険・年金制度が曲がり角を迎えています。当時は平均寿命が70代で、約10年間の“老後”を安心して暮らすための福祉制度があれば良いと設計されました。しかし、老後の時間が20年〜30年に及ぶようになると、この日本の手厚い福祉制度は大きな負担となっているのが現状です。

人間は金のために生き続けるのか?

こういった国全体の経済・財政的課題を解決するために、定年延長や年金支給年齢の引上げが検討されています。ただ、前述したようにお金が稼げるから、生活しなければいけないからといった理由で果たして人は働き続けられるのでしょうか。

若者たちのような自己実現・自分探しが、実は定年間近の人々にある課題であり、プライドや年齢的にもう何もできないといった諦めが、もしかしたらそういった気持ちに蓋をしているのかもしれません。しかし、この年代の自分探しは10年程度で収束する若い頃とは違って、20-30年継続する余生を左右するものとなります。

ダイバーシティ時代に必要な考え方

ここまでの話では、一般的なライフスタイルを前提に組み立ててきました。現代社会においては、LGBTやDINKSのような子どもを持たない選択も許容されてきています。家族を持つということが当たり前ではなくなった時代では、自分探しは30-40代になっても続いていくことになるでしょう。その先にはソーシャルビジネスやローカルライフという地平に繋がっています。

社会の役に立ちたい、生きている実感を得たいといった自己実現欲の行き先が、NPOであったり地域活性化といった取組みに関心を持つきっかけとなることでしょう。そして、それは定年後のライフスタイルにおいても十分考えられる自己実現の方向性だと思うのです。人生の先輩方の自分探しにもしっかりと耳を傾ける、それも1つのダイバーシティなのではないかなと感じる今日この頃です。

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にゃいす!
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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。