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糸〜菅田将暉と二階堂ふみの無駄遣い

映画『糸』を観ました。菅田将暉さんと小松菜奈さんのダブル主演が話題で、中島みゆきさんの名曲にインスパイアされた物語です。

なかなか本音を表に出さない小松菜奈

「縦の糸はあなた、横の糸は私。」高橋漣と園田葵というそれぞれの人生の糸が離れ、時を経て再び結び付く様は平成という時代の出来事とリンクしています。テロ、不況、震災、格差、、様々な暗い影が忍び寄る社会において、小さな幸せを守るのがいかに難しいかが表現されています。

とくに北海道から東京、沖縄、そしてシンガポールへと舞台を移しつつ成長を遂げていく園田葵を演じた小松菜奈さんは、守られる存在から守る存在へと強さを身に着けていく姿を示します。シンガポールの屋台で一人カツ丼を頬張りながら泣く演技は圧巻でした。『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『恋は雨上がりのように』で見せたような、内面の感情を徐々に発露していく様子だけでも観る価値はあります。

キレキャラを演じさせたらピカイチの菅田将暉

もう一方の主演・菅田将暉さん演じる高橋漣は、北海道を離れることなく、小さな幸せを大切にするような暮らしを送っています。正直、このような平凡な人物は菅田将暉さんは似合っていない感じがしました。現在出演しているドラマ『MIU404』のような悪役だったり、『dele』でのヤンチャな演技が印象に残っていることもあり、もっと裏表があるような人物を演じてもらいたいですね。

同様に、友達の奥さん役という端役で二階堂ふみさんが登場したのはビックリしました。震災の影響を受けて精神的に不安定になるという、難しい役だったのですが、さすがの存在感を示していました。正直、もうちょっと登場シーンがほしいとも思いましたが、友情出演ということなのでこんなもんなのでしょうか。

本来はTVドラマ分の重厚さがある原作

この『糸』には実は原作本が存在します。2時間の映画では描き切れなかった各人物のバックグラウンドや気持ちの機微、それぞれのターニングポイントなどがあることが理解できます。20年分のエピソードがあるわけですから、むしろTVドラマでやった方が良さそうな気がします。

美瑛を中心とした北海道の美しい風景、東京や沖縄、シンガポールと旅をするように場面が入れ替わるので、なかなか遠出ができない状況下においては楽しむことができます。地方の、何でもない人々の小さな幸せがどれほど尊いものなのか、こんな状況だからこそ改めて問い直してみてはいかがでしょうか。

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にゃー
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1977年シアトル生まれ。地域イノベーション企業家。林業合コン、棚田deセグウェイ等の過疎地ビジネスを経て、行政トップの右腕、大学教員と産官学を経験。犬猫が地域に生き残る寛容な社会を目指すネコウヨです。

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頭の中の整理用。気の赴くまま徒然に書いています。

コメント (1)
時折TVで映画のCMが流れているので、その存在は知っていたのですが、記事を拝見して私たちのような田舎町に住む者が見るべき映画なのかもしれません。もちろん若い方が見て地方を考えていただけるのならそれも嬉しいことですが。
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