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海外から逆輸入される水俣病

映画『MINAMATA』を観ました。水俣市は一昨年に訪問しており、日本初の環境モデル都市としての取組みに感銘を受けるとともにその凄惨な歴史に息を呑みました。

水俣病は教科書にも載っており、必ず学ぶ公害の代表例として知られています。そのくわしい状況については、是非とも現地に足を運んでいただきたいと思います。それとともに我々が現在進行系で胸に手を当てて考えなければいけないのは、風評被害についてです。

水俣病から東日本大震災、コロナ禍へ

実際、水俣病は接触や空気感染するリスクはないのですが、患者や水俣に住む人々に対しては心無い言葉が浴びせられてきました。それは東日本大震災時の福島県に住む人々に対しても繰り返され、またコロナ禍においても差別のような言動が散見されます。

映画で印象的だったのは、名もなき人々の意志の力強さです。ユージン演じる主演のジョニー・デップは、後半ほとんどセリフもなく観客と同様の観察者として人々の行動を映像に残していきます。ヒロイズムに陥ることもなく、ドキュメンタリーにもならず、瞬間を切り取る重要性が理解できます。

公害からSDGsへ

SDGsといった言葉が取り沙汰される世の中だからこそ、住民一人ひとりを取り残さない、分断を生まない地域の構造をつくっていく必要があります。マスコミが紙面や放送時間の都合で切り取ってしまう余白にこそ、注目すべき真実があると気付かされる映画でした。

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サイエンスとプラグマティズムの間で
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