マガジンのカバー画像

野次猫コラム

76
頭の中の整理用。気の赴くまま徒然に書いています。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

withコロナとafterコロナは違う

安倍首相の辞任会見の冒頭で、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部での決定に関する説明がありました。ニュースでは大きく採り上げられていませんでしたが、かなり重要な示唆が含まれていたので書き記しておきます。 withコロナを選んだ日本「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」では5つの政策目標を掲げています。とくに重篤化が懸念される高齢者や基礎疾患を有する人に医療資源を割く一方で、無症状者や軽症者については宿泊療養や自宅待機での対応となる見込みです。 現時点では、PCR

糸〜菅田将暉と二階堂ふみの無駄遣い

映画『糸』を観ました。菅田将暉さんと小松菜奈さんのダブル主演が話題で、中島みゆきさんの名曲にインスパイアされた物語です。 なかなか本音を表に出さない小松菜奈「縦の糸はあなた、横の糸は私。」高橋漣と園田葵というそれぞれの人生の糸が離れ、時を経て再び結び付く様は平成という時代の出来事とリンクしています。テロ、不況、震災、格差、、様々な暗い影が忍び寄る社会において、小さな幸せを守るのがいかに難しいかが表現されています。 とくに北海道から東京、沖縄、そしてシンガポールへと舞台を移

今度の年末年始も帰省できない

このお盆の帰省を取りやめにした人は多かったことでしょう。その方々に残念なお知らせをしなければなりません。恐らく、次の年末年始も帰省は難しいと思った方が良いです。 今の日本政府が考えていること第一四半期のGDPが-27.8%、約3割もの経済活動が消失した衝撃は大きいものでした。緊急事態宣言を実施する経済リスクが浮き彫りになった以上は、政府として再度この伝家の宝刀を使うことは避けたいと考えるでしょう。 一方で、検査拡大の影響を受けて陽性者数が増加に転じるなど、市中感染が広まっ

与えられた環境、掴み取る環境

noteで10代の子が書いた瑞々しい文章が話題です。世の中の不条理や理不尽に対して怒りを覚える気持ちは良く分かるし、かつての自分もそのような社会を変えていきたいという熱量を持っていたように思います。 生まれる環境を選べない子どもたち数年前に、この文章に出てくるHLABで講演する機会がありました。徳島県の海辺の田舎町に首都圏の一流大学の学生たちが集まり、地元の中高生とともにワークショップを実施するといった内容です。地方創生の最新事情を教えてもらいたい、というオーダーだったので